秋田の女性のWork&Life a.woman

6JUNE
2019

お母さん

オリジナルの育児を楽しもう!読み聞かせない絵本ライブが大人気のみっつさん

育児・介護休業法の改正や、厚生労働省の「イクメンプロジェクト」など、男性がもっと積極的に育児に関わることができる取り組みが進んでいる今日。イクメンという言葉も一般的になってきました。

「イクメンという言葉が浸透し、制度が整ってきたのはとてもいいこと。
でも逆に、世間のイクメン像にしばられ、『どう育児に関わったらいいか分からない』と悩む父親も多いと思います。良妻賢母像に苦しむお母さんもいるかもしれません。いつも子どものためを想っている親ですから、当然ですよね。でも育児って、もっと自由でいいと思うんです」。

そう話すのは、あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」会長の高橋寛光(たかはしひろみつ)さん、愛称「みっつ」さんです。

読み聞かせない絵本ライブで引っぱりだこのみっつさんに、活動を始めたきっかけや子育てに対する想いを聞いてきました。

父親となり、ファザーリング・ジャパンと出会う

子どもが生まれて父親になった時、とても嬉しかったというみっつさん。しかし、周りからは「家族が増えたならもっと仕事がんばらなきゃね」と声をかけられることが多かったと言います。

「仕事も大切だけど、もっと父親を楽しみたいんだけどなあと違和感を感じていました。
そんな中、尊敬している上司の一人から『家族との時間も大事にしなさい』と言ってもらえたのは大きかった。その人自身が家族や自分の趣味も大切にしている素敵な人だったので、今でも自分の生き方のベースになっている言葉です」。

その後、父親を対象にした子育て支援を行うNPO法人ファザーリング・ジャパンと出会います。

「NPOの安藤代表が秋田に来るという情報を聞きつけ、家族とともに講演会へ参加したんです。『“いい父親”じゃなくて“笑っている父親”でいこう!』というメッセージに刺激を受け、秋田県初の会員になりました」。

子育てを通して絵本が大好きに!

みっつさんは、ファザーリング・ジャパンのお父さんたちの絵本ライブを見てから、どんどん絵本にハマっていきました。

書いてある通りに読まなくても、遊びながら読んでも、歌や手遊びを組み合わせて読んでもいいんだ!と、絵本の概念がガラリと変わりました。勝手な思い込みがあったんですよね」。

いつか自分も絵本ライブをやってみたいと思いながらも、なかなかその一歩を踏み出せずにいましたが、ファザーリング・ジャパンのお父さんたちに「難しいことを考えないで、自分が楽しいと感じることをそのままやればいいんだよ」と背中を押され、地元で絵本ライブの活動をスタートさせました。

楽しく遊べる絵本や、文字が少なく、子どもたちの表情を読みながらじっくり見られる絵本をチョイスすることが多いそう。
長新太(ちょうしんた)作『プアー』は、絵本ライブでほぼ毎回読むお気に入りです。

「ある保育園で絵本ライブをした時、子どもたちに『男の人も絵本読むんだねえ』とびっくりされました。
園長先生からは、男性が読み聞かせをする姿に出会わずに、子どもたちが成長するところでした。良い機会を本当にありがとうと言われ、楽しいと思って続けていた活動に、多様性を育む意味もあったんだと気づかされました」。

(歌や楽器、小道具も飛び出すみっつさんの自由な絵本ライブ)

子育てをパスポートに、地域とつながることができた

みっつさんは絵本ライブのほか、「子育て講座」や「遊び講座」、「祖父母向けの孫育て講座」などの講師としても活動しています。活動を通して、地域の人にたくさん出会い、困った時にも声をかけ合える関係が増えていきました。

「地域とのつながりを実感したのは、東日本大震災の時です。
私は仕事ですぐに家族のもとへ行けずにいたんですが、そんな大変な状況の中で家族のもとへ駆けつけてくれたのは、地域の人たちでした。家族を気にかけ、子育てを応援してくれる人が地域にいることが、本当にありがたかったです」。

「子育て」や「絵本」をパスポートに、地域に飛び出していったみっつさん。好きなことや得意なことをオープンにすると、地域のつながりができるだけでなく、地域で楽しむ大人の姿が、子どもたちが地域に愛着を持つきっかけにもなるかもしれません。


(みっつさんの絵本ライブを楽しむ子どもたち)

「子育てはもっと自由でいい」と思う

子どものためを想う親だからこそ、世間のイクメン像、良妻賢母像にしばられて、悩むこともありますよね。 みっつさんは、「子育てはもっと自由でいい」と話します。

「例えば、『イクメンってどんな人のこと?』と尋ねたら、人それぞれ全然違う回答になると思います。『子育てはこうあるべき!』という議論も同じで、そもそもイメージが多様なんですよね。

だから、イメージにしばられることなく、『うちの家では何を大事に子育てしようか?』、『本当に大切にしたいことは?』と自由に話し合うところからスタートするのが大事。オリジナルの家族になっていけばいいんだと思います。

私の活動を見て『こういう子育てへの関わり方もありなんだ』と思ってもらえたら嬉しいです」。

みっつさん自身、絵本ライブの活動をしている中で、「何かしらのメッセージを伝えなきゃ」、「ちゃんと読み聞かせないと」というイメージにしばられそうになることも。
そんな時は、「うお座だから、魚みたいに自由に泳がせてもらおう!(笑)」と気分を切り替えて、その瞬間のライブ感を楽しんでいるそうです。

いろんな想いを包み込むあたたかいみっつさんのお人柄と、好きなことを自由に楽しむ姿は、子どもたちはもちろん、その場にいる人をワクワク元気にしてくれます。

3月には、秋田市内で絵本ライブを開催予定。最新情報はパパコラボのFacebookページでご確認ください。
みっつさんの絵本ライブで、子どもも大人も自由に思いっきり楽しんじゃいましょう!

【高橋寛光さんプロフィール】
1981年、大仙市生まれ。大仙市在住。愛称は「みっつ」。13歳の娘と5歳の息子の父。
2010年から地域で絵本ライブの活動をスタート。2013年、あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」を立ち上げ、会長に就任。NPO法人Fathering Japan東北理事。秋田県マザーズ・タッチ文庫絵本選考委員。日本パパ料理協会秋田飯パパ飯士。あきた木木遊び隊(木育パパサークル)。あきたF・F推進員。全日本育麺メニューコンテストグランプリ(2013年)。秋田県男女共同参画社会づくり表彰チャレンジ賞受賞(2014年)。
あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」Facebookページ

この記事を書いたライターこの記事を書いたライター

平元 美沙緒

徳島生まれ、横手在住。一児の母。まちづくり、子育て、クラフト、農村、伝統建築に興味のアンテナあり。まちづくりに関する話し合いの場の進行・企画を行うまちづくりファシリテーター。おしごとブログ

http://section-a.jugem.jp/

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