秋田の女性のWork&Life a.woman

9SEPTEMBER
2018

今月のCLOSE UP

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キャリアアップと結婚・出産をスマートに両立。そのカギは物事の捉え方と会社のサポートにあり!

(株)サンコーホーム マーケティング室・人財開発室室長 髙橋 久喜子 さん

横手市に本社を構える創業80年余のハウスメーカー「サンコーホーム」に、16年勤務したのちに結婚・出産を経験し、復帰後にキャリアアップ — そんな“ザ・キャリアウーマン”な女性がいます。髙橋久喜子さんはおととし10月、36歳で第一子を出産し、去年の4月に復帰。仕事と育児の両立や、仕事のあり方など、働く女性のリアルライフを教えてもらいました。

入社当初は少なかった女性の営業職

—髙橋さんは2000年にサンコーホームに入社されたそうですが、最初はどんなお仕事をしていたのですか?

髙橋 はじめは大曲店にホームアドバイザーという職種で入社しました。展示場や完成見学会の案内をするだけのイメージでしたが、実際は受注、契約、現場打合せ、管理、引き渡しまで担当していました。いわゆる営業なんですけれども、当時は業界でも女性は少なかったですね。マニュアルもなかったので、すべて人に聞いたり、見て真似たりしていました。お客さまに説明するのは楽しかったですね〜。私が初めて契約したお客さまがいまだに覚えてくれていて、たまに街でばったり会うとあいさつしたりしてます(笑)。

—その後、マーケティング室に異動になったそうですね。

髙橋 入社11年目に、営業の知識があった方が活躍できる分野だということで、新設部門のマーケティング室に異動になりました。マーケティング室は、広告やホームページなどお客さまの目に触れるものすべてを担当する部門で、現在は私のほか入社4年目と2年目の女性社員の計3名が在籍しています。

(マーケティング室の社員がイラストレーターやフォトショップで制作したPOPを前に)

社会人16年目での出産

—そうした中、結婚・出産という人生の岐路を迎えました。

髙橋 出産前と仕事のペースを変えたくなかったので、結婚・出産を機に主人の両親と同居を始めました。主人が両親にあらかじめ私の仕事について話していたことや、両親がとても協力的だったこともあって、始めから自分のペースで生活できましたね。それまで20年近く一人暮らしをしてきましたが、同居に対しては全然抵抗はなかったです。

—産休・育休もしっかり取られたのですか?

髙橋 産前は切迫早産のため入院していたので、通常6週のところを有給を使って8週お休みをいただきました。育休は本来1年なのですが、復帰後に人財開発室も兼務して新卒採用にも関わることになっていたので、4カ月に短縮して4月には復帰しました。そのため生まれる前から保育園の情報収集をしていて、12月には説明会にも出ていたので、娘が6カ月になる4月にはスムーズに入園できました。

—復帰後はすぐ元通りの勤務体制に戻ったのですか?

髙橋 いえ、娘が1歳になる頃までは18時で帰宅するようにしていました。今は18時半か19時くらいですね。同居している両親や、長年勤めている職場の理解があるので、みんなに協力してもらって育てていると思っています。娘は全然人見知りもしないので、たまに私の実家に預けても平気なんですよ。

相手に合わせた育成法を見つけることが大事

—人財開発室ではどのようなお仕事をされているのですか?

髙橋 新卒・第二新卒・中途の採用・育成、とくに若手雇用に力を入れています。育成では、まずはその社員の伸ばせるところを見つける。それを見つけてあげると、良い面が枝分かれして伸びていくんですね。見つけられるか否かで、伸び代は全然違いますよ。

—育成するうえで心がけていることはありますか?

髙橋 私は中間管理職なので、なにか問題が起こったときは基本的に私が悪いと考えています。部下の責任は私の責任。上司から言われたことはそのまま部下に伝えずに、「どうしてこうなったのか?」という振り返りは一緒にするようにしています。以前は「どうして1から10まで教えないといけないのか」という思いもありましたが(笑)それは昔の感覚なので、今はその概念は捨てました。

若手女子社員の育成については、“厳しすぎず優しすぎず”がモットーです。プライベートはほとんど干渉しないですね。近すぎると悪いところが見えないし、逆に遠すぎると良いところが見えないので距離感が大事。第三者の目で見る方が良さが分かるんです。

—育成と育児で共通する部分はありますか?

髙橋 新人育成と子育てはリンクしていると思いますね。“叱らない育児”と一緒で、教えてないことでミスしても叱る必要はないんです。「人を変えるのは難しい、自分を変えることはできる」とはよく言いますが、人に囲まれる仕事だと特に、自分が相手に合わせる方がスムーズです。

人と人のつながりが教えてくれたこと

—人に合わせるためにどのような工夫をしていますか?

髙橋 まずその相手をよく観察することです。私は元々、人に興味があって好奇心旺盛なので、この人を楽しませるために何ができるのか、楽しく商談するためにはどうすればいいか、などを考えます。引き出しは多い方が会話も弾みますので、新聞やラジオ、話題の本などで情報をインプットするようにしていますね。

—会社全体としての取り組みはありますか?

髙橋 うちは社長自ら社員を大事にしてくれて、人を育てることにお金をかける会社なんです。家も、売るものじゃなくてお客さまと一緒に作り上げるものという考え方で。そのために月1回、相手の長所を発見できる力を育てる社内研修会を開いて、全社員が参加しています。
私は入社当初から同僚や上司に恵まれているなぁと感じていました。上司は「失敗したら俺が責任を取る」と言ってくれて、私のことをよく見てくれていると実感していたので、それがモチベーションにつながりました。


(社長の還暦祝に、社員一同から60本のバラの花束をプレゼントしました。)

—やりがいのある社風ですね。

髙橋 そうなんです。なので、せっかく入社してきた女の子には長く勤めて欲しいんです。20代でいろいろ経験した分だけ、30代でその経験や人脈が広がって仕事が面白くなってくるので。今は全社員中、女性は3割ほどですが、私が入った頃は1割もいませんでした。でも当時からの同僚は私を戦友だと言ってくれます。会社で働くということは、そういう気の合う仲間が必要なんですよね。

笑う育児で仕事にもいい影響が

—育児で大事にしていることはなんですか?

髙橋 “とにかく笑う”ことですね。毎日ご飯、お風呂、寝かしつけで、趣味の読書やゴルフ、映画鑑賞の時間は全然ありませんが、子育てから学ぶことや可愛さには代えられないです!もう朝晩のご飯のときに、ご飯やお茶をこぼされても笑っちゃいます(笑)。子どもとの時間がストレス解消になっていますね〜。

主人も帰りが早いときにはお風呂に入れてくれますけど、基本的には健康で働いてくれればそれでいいです(笑)。ただ、一緒にいる時は家族の時間を大事にしてね、と。お互い仕事が忙しいですから、年に数回の家族旅行を励みにしています。


(娘さんとニッコリ)

—30代後半での出産について思うことは?

髙橋 高齢出産してよかったと思うのは、気持ちの面で余裕のある子育てができることです。もちろん周りの支えも大きいですけれども、この年になって初めてのことができるワクワク感がとても大きい(笑)。仕事と育児を天秤にかけることはほとんどなく、仕事も8割、家事育児も8割。仕事で嫌なことがあっても家に持ち込まないようにしています。

ただ高齢出産でネックなのは、人生で考えたときに一緒にいてあげられる時間が短いということ。なので子どもの行事は大切にしたいし、子どもの周りには必ず誰かがいて、いろんなことを共有できるようにしてあげたいです。

—結婚・出産が仕事にいい影響を与えているんですね。

髙橋 本当にそうです。結婚や育児、同居がこんなにプラスになるんだ、と。話題が増えるし人生の幅も広がる。そのためには、結婚・出産を迎える女性への会社のサポートが大事になると思います。

女性は、結婚・妊娠・出産を経て、仕事が変わると苦労することが本当に多いですよね。だったら子どもが小さいうちは一緒にいて、それから復帰してまた同じ職場で働ける方がどんどん伸びていくと思うんです。私も人生のターニングポイントで会社に大事にされているなぁと感じますので、その分会社に恩返ししていきたいですね。

常に前向きでポジティブ。そんな雰囲気がみなぎっている人は、人生の岐路でも好転していくのだなと思える取材でした。社会人として必要な吸収力と応用力を身につけ引き出しを増やしていく髙橋さんは、きっとこれからも頼もしい母親として突き進んでいくことでしょう!

【髙橋久喜子さんプロフィール】
大仙市出身
2000年 関東の建築専門学校で学んだ後、サンコーホーム大曲店にホームアドバイザーとして入社
2011年 本社マーケティング室へ異動
2015年 マーケティング室室長に就任
2016年 結婚・出産
2017年 人財開発室室長を兼務

【株式会社サンコーホーム】
本社(横手店)
秋田県横手市赤坂字館ノ下155
電話番号/0182-35-4779
ホームページ/http://www.sanko-home.co.jp

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熊谷 清香

地元タウン誌や広告代理店勤務を経て、KITA DESIGNで企画・編集をしています。小中学生の母。趣味はテニス観戦。秋田市出身。丑年。

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