秋田市中心部に2022年3月移転オープンした「story cat(ストーリーキャット)」。雑貨、食品、衣料品などを販売するセレクトショップです。これから年末に向けて、お世話になった方や友人への贈り物にもぴったりの品々が並びます。気に入った一品を見つけに、足を運んでみませんか。
店内は美術館をイメージ
黒猫の大きな看板に迎えられて店内に入ると、照明を抑えた中に陶器や布製品、レトルトや焼き菓子などの食品、バッグやTシャツなどが展示、販売されています。このほか、アート作品をクリアファイルなどにした小物などもあります。店内は美術館をイメージしているそう。
お店の商品には共通点があり、それぞれの商品は障がい者就労支援施設などで作られています。障がい者の就労支援や生活困窮者支援に取り組む秋田市の「NPO法人あきた結いネット」が運営しており、県内だけでなく全国約50事業所から選りすぐりの商品を取り扱っています。
「お客さまからすると、いろいろな種類の商品が見られた方が楽しいですよね。なので、これだと思ったオススメの商品も広く取り扱うことにしました」と、あきた結ネットの坂下美渉理事長は話します。坂下さんは取り扱う商品のセレクトも手掛けており「障がい者が作ったからという理由ではなく、いいものだから欲しいと思えるような品揃えに力を入れています」といいます。
ひとつひとつの商品にストーリー
看板にもなっているお店のマスコット、黒猫のオニキスくんにはあるストーリーが込められています。オニキスくんがストーリーテラーになって、商品にまつわるさまざまな物語を語ってくれるといいます。実際、商品ひとつひとつに作られた由来や作り手のストーリーがあるので、ぜひお店でお話を聞いてみてください。
オススメの商品をご紹介!
オススメおよび人気の商品をいくつか紹介してもらいました。
看板商品に成長した、青森ヒバの「うんち君」(大800円、中550円、小400円)。同じ建物内にある就労支援施設の通所者さんが、カットされた木材に丁寧にやすりがけをして仕上げています。青森ヒバには抗菌性や消臭脱臭の効果があり、トイレに置いて愛用している方が多いそう。「秋田のものを」とのリクエストを受け、秋田杉の「うんこちゃん」も誕生しました。
カラフルな織物と黒の布のコントラストが印象的な「小さな美術館コースター」(500円)。「さをり織り」という手織り布の端切れを生かした商品で、風合いを見てもらえるよう包装を付けずに展示したのが好評でした。現場の声を作り手にフィードバックすることも大切にしています。
絵日記ポーチ(2400円)など。アートリンクうちのあかり(秋田市)の戸嶋あつしさんの絵が用いられています。縫製前の布地に直接描いているため、完全な一点ものです。食べたものや日々の様子がつづられています。
珍しい食用の椿油「しま油」(980円)。そのままサラダなどにかけて楽しめます。さゆり会けいぷはうす(長崎県)が、椿の実から搾油するところから行っているそう。ボトルや包装に当事者のアートがあしらわれています。
人気商品を詰め合わせにしたギフトの例。うんち君のほか、オニキス君コーヒーやドライフルーツが入っています。価格は箱代と合わせて2980円。好きなものを組み合わせることができます。
中心市街地のにぎわいづくりも
店舗と就労支援施設に加え、ストーリーキャットにはイベントや打ち合わせに誰でも無料で利用できるオープンスペースがあります。「便利な場所柄もあり、ふらっと立ち寄るお客さんが増えたのがうれしいです。南通地区には個性的なお店が多く、歩いて回るのが楽しい場所でもあります。今後、周りともつながりを持ってまちのにぎわいに一役買っていけたらいいですね」と坂下さんは話していました。
※価格はすべて税込み。
便利な立地とスペースを生かして、展覧会などのイベントも積極的に開いていきたいとのことです。ストーリーキャットを拠点に、新しい人やモノのつながりが生まれそう。まずは、大切な人や自分への一品を探しに行ってみてください。
DATA
【story cat(ストーリーキャット)】
秋田市南通亀の町1-4
営業時間/11:00~16:00
電話/018-838-5450
定休日/月曜(月曜祝祭日の場合は火曜)
駐車場/3台
※満車の場合は付近の有料駐車場のご利用をお願いします。