桜の開花が待ち遠しい3月。大切な人への贈り物や、自分へのご褒美に手作りスイーツはいかがですか?今回は、湯沢市の川連漆器伝統工芸館を拠点に県内の公共施設や和菓子店であんこのお花®︎絞り教室「葵凛kirin」を主宰する井川貴子先生をお訪ねしました。あんこを使って美しい花々を表現する新しいスイーツ作り。その魅力と、初心者でも気軽に始められる教室の様子をご紹介します。

天然素材にこだわった美しい色づかい
華やかな見た目が魅力のあんこのお花絞りは、SNSを中心に密かなブームを巻き起こしています。その特徴は、繊細な色づかい。白あんをベースに、抹茶やさつまいもなど天然の素材で色付けを施します。グリーンは抹茶、赤やピンクは芋やビーツなど、自然由来の色素にこだわる点も魅力です。美しい濃淡をつけることができるのも、この技法ならでは。出来上がりを想像しながら、一つひとつ丁寧に絞り出していきます。


絞り袋に色付けしたあんこを入れ、形の異なる口金をセットして絞り出すことで、花や季節のモチーフを作り出します。一般的な和菓子とは異なり、まるで生花のようなリアルな見た目が特徴です。

思い出を彩る「ナンバーケーキレッスン」
あんこのお花®︎絞り教室 葵凛kirinのナンバーケーキレッスンの様子をご紹介します。今回のレッスンでは、ハート型のサブレを土台に使用していますが、数字やアルファベット、好みの色やお花のイメージを選んでデザインを楽しむことができる人気のレッスンです。

記念日や特別な日を彩るナンバーケーキは、手作りだからこその温かみや、贈る人への想いが込められた特別な一品。自分だけのオリジナルデザインで、大切な人に喜ばれるスイーツを作り出せます。

レッスンは、まず井川先生がデモンストレーションをしながら基本的な絞り方を説明。その後、生徒一人ひとりが自分のペースであんこ絞りに取り組みます。悩んでいる様子が見えると、先生がさりげなくアドバイス。


完成した作品を見せ合う時間には、自然と歓声が上がります。「キレイ」「カワイイ」と、お互いの作品を褒め合う姿は、花が咲いたように明るい雰囲気。技術習得の場としてだけでなく、心が温まる交流の場にもなっています。

あんこのお花絞りとの運命的な出会い
インスタグラムであんこのお花絞りを見た瞬間、井川先生は「これだ!」と直感的に感じたそうです。お母様への贈り物を作りたかったという想いから始まった挑戦は、すぐに夢中になり、気がつけば技術を磨くことに没頭していたと言います。

「開けた瞬間の驚きや喜び、そしてその感動を大切な人に届けたいという気持ち。それがあんこ絞りにはすべて詰まっていました」と井川先生。理想の形を作れるようになるまで、時間を忘れて没頭することも多いんだとか。わずか3ヶ月半で講師の資格を取得し、2023年から湯沢市を拠点に秋田県内でレッスンを開催しています。

今後の目標を、「秋田県にあんこのお花絞りを広めていきたい」と熱く語る井川先生。その想いは、秋田県の活性化を目指す一歩として、あんこのお花がもたらす笑顔の輪を広げることにあります。「あんこのお花を通して、繋がりや日常の彩り、仕事のやり甲斐が生まれることを願っています。秋田にいながらも楽しく暮らせる、そんな地域を作りたいです」と語ってくれました。

秋田の冬は、雪で覆われた銀世界。花が咲かない季節だからこそ、あんこの花絞りがもたらす色や香りが、心に温かな彩りを加えます。雪の中で咲く春の花々を手作りで表現することで、季節の美しさを感じられる特別なレッスン。あんこ絞りを通して多くの人が驚き、繋がりが広がっていくことを期待しています。
葵凛kirinでは、お手軽な入門レッスン、和はなアートフード協会認定試験に向けてのサポートコース、獣医師監修レシピのペット専用スイーツなどを開催しています。詳しいスケジュールはSNSでご確認ください。
※価格は全て税込です。今後、価格が変わる可能性がありますのでご了承ください。