「福祉の仕事に興味があるけれど、どのように仕事を探したらいいの?」「経験を生かして介護職に復帰したいけれどブランクがあり不安…」「これまでと違った働き方をしたい」といったお悩みはありませんか? 医療、福祉の分野で事業所と求職者をマッチングするのが「HARE WORK(ハレワーク)」です。働く人の条件に合った職業紹介をしてくれるWEBサイト「ハレワーク」を運営するお仕事アドバイザー・キャリアコンサルタント、菊地知穂さんにお話をうかがいました。

仕事を探す場合、求人票や情報誌を見るのが一般的でしょう。例えば子どもがいる女性の場合、「子どもの習いごとや部活動のために週末は空けたい」といった条件があると思います。ただ、条件だけでふるいにかけてしまうと場合によっては仕事が非常に限られる、または条件に合う職場がないといった状況になってしまうことも。そこで重要になるのが事業所と求職者のマッチングです。
「仕事を探している人と事業所双方が100パーセントの要望を満たすことは難しいです。けれどもどちらかが一方的に我慢しなければならないわけではありません」と菊地さんは言います。「私は、相談者さまの普段の生活やどんな働き方をしたいのかについてできるだけ詳しく話を伺っています。週末休みを取りたい場合、実際には月何回休めればいいのか。数年先には週末も出られるようになるのか、といったことです。その上で詳しい内容を事業所側に伝えて検討してもらいます。双方が歩み寄ることで納得できる条件が見えてきます。だいたいのケースで妥協点は見つかります」

求人情報サイト「ハレワーク」のお仕事紹介の流れは、WEBサイトの問い合わせフォームに仕事の条件など必要事項を記入してエントリーします。アドバイザーから連絡があり、相談者への聞き取りを行います。その後、求人への応募、面接による選考と進みます。ヒアリングや相談は対面での面談のほか、電話やメール、SNSでも可能。面接にはアドバイザーが同行し、就職が決まってからのアフターフォローもあります。相談からアウターフォローまで、費用はかかりません。

ここまで丁寧に対応するのは、菊地さんがハレワークを始めるまでの経験が基になっています。独立するまで8年ほど、正社員として職業紹介の仕事に就いていました。医療、福祉分野は女性が多く、ライフイベントや家族の状況によって働き方が影響されやすいといいます。菊地さん自身も2人の子どもの母親として「子どもがいるなど、その立場になってみないと分からないことが多い」と実感したそうです。「同じような立場を経験しているので、相談者に寄り添ったアドバイスができるのではないかと思います」と言います。

「私も含めて、働くということは理想通りにいかないことの方が多いものです。『思っていた仕事と違った』『なんだか合わないかも』といった声をいただくこともあります。そんなときは、最初に伺っていたご本人の思いや、お仕事に対する向き合い方をあらためて一緒に振り返るようにしています」と菊地さんは話します。「何のために働くのか」ということを自分のなかで明確にしておくと、仕事をする上での軸になると菊地さんは言います。「必ずしも仕事のやりがいが最優先ではないということです。とにかくお金を稼ぎたいというのであれば、多少ハードな仕事でもがんばれるでしょう。一方で、家庭での生活を大切にしたいなら定時で帰れるような職場が適していると思います」

たくさん条件を出すのはわがままではないかと思われがちですが、そうではないと菊地さんは考えています。むしろ、職業紹介によって菊地さんのもとに集まる現場の声をフィードバックして、より働きやすい職場環境づくりやスタッフの定着率を高める手助けになればと考えているそうです。「働く人と職場の間にある意識のずれを埋めることで、スタッフの『やめたい』気持ちを『やめない』に変えられます」と力を込めて話していました。
資格を持っていても、ブランクがあったり未経験の分野だったりすると就職へのハードルは上がりそうです。そんな時、相談できるアドバイザーがいるとありがたいと思いました。「どんな職種が向いているか分からない」「今はできないが将来仕事に就きたい」といった相談でもOKだそう。福祉、介護分野に興味のある方はご相談してみてはいかがでしょうか?