ユニークな言葉が刺繍されたハンカチや靴下。ポップな色づかいのビーズピアス。MONJO(モンジョ)がつくるのは、遊び心あふれるアイテムたちです。屋号は秋田弁で「たわごと」の意味。空想や憧れを形にした作品、たっぷりご紹介します!

会社員からクリエイターへ
幼い頃から、趣味でビーズアクセサリーを作っていた母の姿を見て育ち、大人になってもその指輪を大切に持ち続けていたというMONJOさん。2019年、夫の転勤で茨城に転居することになり、会社員を辞めたことをきっかけに、ビーズアクセサリーの制作を始めました。独学で技術を磨き、Instagramで作品を発信していたところ、投稿を見た池袋パルコのショップから声がかかり、取り扱いが始まったことが大きな自信になりました。2023年にAターンし、現在は秋田で子育てしながら制作を続けています。

この店かしやトートバッグ
「この店かしや」はかつて秋田で親しまれていたお菓子屋さん。CMソングを今でも口ずさめるという方も多いのでは?!「この店かしや」のロゴを刺繍してInstagramに投稿したところ、「なつかしい!」「遠足の前にお菓子を買いに行った」など、たくさんの反響が寄せられました。商品化を望む声が次々と届き、ロゴのデザイナーから正式に使用許可を得たうえで、シンプルな既製のトートバッグに刺繍をほどこしました。懐かしさと遊び心が詰まったこの作品は、イベントでも即完売となるほどの人気商品となりました。

メッセージハンカチ
「推しの笑顔を守りたい」「同情するなら酒をくれ」など、クスッと笑える言葉が刺繍されたハンカチ。「そんなときもあるよね」というハンカチは、保育園の先生が娘さんにかけてくれたひと言がきっかけで生まれました。その優しい言葉にMONJOさんは心がふっと軽くなりましたが、娘さんは少し戸惑っていたそうです。「たしかに、すぐには気持ちを切り替えられないこともありますよね。でも、時間が経てば“あのときはそんなこともあったな”と笑える日が来るかもしれない」。そんな思いを込めて刺繍したそうです。「この言葉が巡り巡って、誰かの心を救うかもしれないね」と知人に言われたこともあり、ものづくりとは、形だけでなく気持ちや言葉を届けることでもあるのだと、あらためて感じたそうです。

秋田にまつわるハンカチとワッペン
「まめでいてけれな(元気でいてね)」「我慢さねで泣げ〜(我慢しないで泣いていいよ)」など、秋田弁をあしらったワッペンやハンカチ。「おみやげにできるような、方言グッズがあったらいいな」という思いから生まれました。ズボンの膝に空いた穴を「ひじゃかぶがじゃめぐ(膝がガクガクする)」のワッペンでふさいだというお茶目なお客様もいるそうです。私も、県外の友人へのちょっとした贈りものとして秋田弁のハンカチを手紙に添えたところ、とても喜ばれました!



刺繍靴下
「すき」「泥酔」などの言葉が足元をユーモラスに彩るインパクト抜群な靴下。「禁酒」の靴下は、夫婦おそろいで購入したという方も。ふたりで「禁酒」と書かれた靴下を履いている姿を想像すると、なんだかほほえましくなります。また、誕生日の月日を刺繍した「BIRTHDAY SOCKS」も人気で、プレゼントとして選ばれることが増えてきました。


ビーズアクセサリー
ビーズのピアスやイヤリングは、着けたときにパッと気持ちが明るくなるような、軽やかで楽しい色づかいが特徴。「最初は使う人に喜んでもらえたらと思って作っていましたが、今はプレゼントとして、贈る人にも贈られた人にも、どちらの気持ちにも寄り添えるようなものを意識しています」。特に印象に残っているのは、友人の結婚式。産後すぐで参列できなかったため手づくりのピアスをプレゼントし、式で着けてもらえたことが本当に嬉しかったそうです。


作品の取り扱い店
秋田県立美術館、秋田市文化創造館、男鹿観光案内所の3か所で常時取り扱いがあります。オンラインショップからも購入可能。
また、イベント出店の予定もあります。
・7月19日~8月24日:秋田駅ビル・アルス地下1階「あきた まちのえき」にて期間限定ショップ
・8月23日:秋田市文化創造館で開催される「ネコフェス」に出店
さらに年内には、潟上市天王にアトリエをオープン予定。これからは、贈り物にもぴったりなアイテムの制作に、ますます力を入れていくそうです。


日常の中でつい素通りしてしまいそうな、ささやかな楽しみや憧れ。MONJOの作品は、そんな心の動きをそっとすくい上げて、形にしています。気持ちがふっとほぐれ、毎日に笑顔が増えるアイテム、ぜひ手に取ってみてください。