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【Minako’s キッチン】食欲の秋に!t-farmの無農薬野菜と新米ごはん

大仙市で無農薬、無肥料の野菜を育てている「t-farm」の田口康平さん。植物が本来持つ自然の力だけで力強い野菜を作りたい!とギラギラとした熱い想いを持って日々、奮闘を続けています。


25歳で大仙市にUターンした田口さん。地元の企業で働きながら実家の農家を手伝うようになり、初めて農業の大変さ、農薬や肥料を大量に使った野菜作りに疑問を持ち始め、以来、無農薬野菜栽培に取り組んでいます。

「農薬を使うことで、虫のつかないきれいな状態にし、商品としての質を上げることはできます。農薬を使った農業を全否定するわけではありませんが、農薬の散布は農家自らも大量に浴びながら行わなくてはなりません。少なからず体に害のある農薬を使わず、”虫や病気も寄せ付けない力のある野菜やお米を作りたい!”と思い、28歳くらいの頃、無農薬の野菜を作ろうと一念発起し、新規就農をしました」。


手間ひまがかかる無農薬栽培

無農薬野菜を作るには、まずは虫との根気強い戦いから始まるのだとか。虫を取り、雑草を取り、また虫を取り…。気が遠くなりそうなほど手間ひまがかかり、「どうしたら虫が寄り付かず、雑草を抑えられるのだろうか?」と悩みに悩みながら、よりよい方法を探る旅をずっとしているようだと語ります。それでも、「体力だけが取り柄なんで!」と笑顔でただひたむきに日々、農業と向きあっています。

(つややかな「t-farm」の夏野菜。この夏は、ズッキーニ、なす、きゅうり、ゴーヤ、ししとう、ピーマン、ブルーベリーが収穫されました。 写真提供/t-farm)

秋田伝統野菜「沼山大根」の復活!

様々な困難がありながらも、一途に無農薬栽培にこだわっている田口さんの元には、その想いに共感した仲間が徐々に集まり始めています。2年前からはかつて横手市山内地区でいぶりがっこ用に作られていた「沼山大根を仲間と復活させ、秋田伝統野菜としての普及活動や商品としての価値を高める活動も始まりました。
「毎年種を取り続け次に繋げていかなければ、その品種は途絶えてしまいます。次世代に残すことを考えると、誰かが“引き継ぐ”ことをしなければなりません」。
今年はいぶし小屋を有志の手を借りて完成させ、本来のいぶりがっことしての「沼山大根」の完全復活を目指しています。

(手作りのいぶし小屋を覗く田口さんと娘さん。有志の方が農業技術の意見交換などもしつつ、小屋作りを手伝ってくれたそう。 写真提供/t-farm)

また、無農薬米の栽培もしている田口さんの田んぼでは、その一角を予算に応じて貸し出し、田植えから収穫までを学び、自給力向上の場として「農耕session」という取組みも始めました。

(田口さんの指導の元、米作りを体験できるプログラム。参加者自ら作った看板の数々。 写真提供/t-farm)

(昔ながらの乾燥方法である「はさがけ」は、適度に水分を保つためよりおいしくなるとか。 写真提供/t-farm)

引き締まったボディのお米と野菜

田口さんの農業は、無農薬に加えて化学肥料も一切なし。無駄に栄養を与えないことで人間でいうところのメタボを防止し、引き締まった仕上がりになるのだとか。そんな、まっすぐな想いがこもったお米や野菜は、確かに力強くて、滋味深い!嫌味のないしっかりとした甘さと味の濃さを感じます。

(沼山大根、かぶ、紅はるか、安穏芋、無農薬米。苦労して耕した土の栄養、自然の恵みとうまみがぎゅっと詰まっています)

今回は恐れ多くも、そんなたくましい無農薬米、さつまいも、沼山大根を使わせて頂き、家庭でも簡単にできるレシピを考えてみました。冬が近づいてきてしまいましたが、まだまだ秋の味覚をお楽しみください!

【油味噌】

ほくほくの新米と相性抜群!の沖縄の常備菜ともいえる油味噌。本来は、豚バラをブロックごとゆでたものを使いますが、豚荒挽き肉を使って簡単に。甘辛い味噌味で、いくらでもごはんが進みます!

【材料】4人前
豚荒ひき肉 200g

〈調味料〉
酒 大さじ2
味噌 大さじ2
砂糖 大さじ2

1、フライパンに油をひかず、豚肉を入れて油が出てくるまで焼く
2、余分な油をふき取る
3、調味料を入れてまぜる

※豚ひき肉、シーチキン、豚バラスライスを細かく切ってもおいしくできます

【さつまいもとれんこんの揚げ焼き煮】 

根菜がおいしく食べられる揚げ煮。油で揚げるのが面倒な人向けに、レンジで下茹でをし、フライパンに油を多目に引いて焼くことで簡単に揚げ物風の完成です。

【材料】2~3人前
さつまいも 200g(細めのもの約1本)
れんこん 100g(小さめのもの約1/2個)

〈調味料〉
みりん 大さじ1
砂糖 大さじ2
しょうゆ 大さじ1

片栗粉 大さじ2
サラダ油大さじ5~6

1、さつまいもとれんこんを乱切りにし、酢(分量外)を少々入れた水で10分ほどアク抜きをする
2、1のさつまいもとれんこんを耐熱皿に入れ、600wのレンジで5分ほど加熱し、そのまま粗熱が取れるまで冷ます
3、水気を取り、片栗粉をまんべんなくまぶす
4、フライパン全体に油が行き渡るように多目に入れる
5、3をフライパンに入れ、断面に焼き目がつくまでじっくり火を通す
6、火が通ったものから皿に取り出す
7、フライパンに残った油をふき、調味料を入れ砂糖が溶けたら6を戻し、からめる

【沼山大根のはりはり漬け】

元々、漬物用にと作られていた沼山大根は、辛味もあって大人向けの箸休めにぴったり。普通の大根でも簡単にできる即席漬けは、もう一品おかずが欲しい!という時のお助けレシピとしても。

【材料】4人前
沼山大根 250g(約1/2本)

〈調味料〉
しょうゆ 大さじ3
酒 大さじ2
みりん 大さじ1
砂糖 大さじ3
酢 小さじ1

1、沼山大根の皮をむき、薄くスライスする
2、調味料を鍋で沸騰させる
3、2の鍋に1を入れ30分後には完成

※普通の大根なら10㎝程度。皮をむき縦に4等分してからスライスしてください
※細長く刻んだ昆布を加えるとよりおいしくなります

秋田のおいしい新米にぴったりのおかずです。農家さんの苦労や手間ひま、秋田の自然の恵みに感謝しながら旬の野菜をぜひぜひ味わってみてください!

DATA

【t-farm】
住所/秋田県大仙市高城字家ノ下8
電話/090-5591-3698
メール/t.farm.0516@gmail.com
facebook

〈t-farmの野菜やお米、米麺などが買えるお店〉
秋田市 あいば商店マザー食堂irutoco
※収穫のタイミングや時期により入荷日が異なります

〈t-farmの野菜が食べられるお店〉
大仙市 ジュエーメ
秋田市 FRUTTO
※メニューや仕入れによって提供されない場合もあります

※直接購入したい方、定期便をご希望の方、農耕sessionに参加したい方はt-farmまでご連絡ください

Writer

kamada minako

kamada minako

由利本荘市出身。二児の母。パート勤務をしながら時々ライターやフードコーディネーターなどの個人活動をしています。 日々のお料理ブログ。
http://kamadakikaku.php.xdomain.jp

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