昼は讃岐うどんの専門店。そして夜は料理のジャンルを超えたコース料理を提供するという、2つの顔を持つ由利本荘市の「いちこま」。土日祝日のお昼時は行列必至のお店で、その人気の秘密を探ってきました!
(*現在はコロナウィルスの影響により、夜の営業は平日のみ。コース料理は休止中でうどんメニューのみの営業です。)
毎日打ちたて!ツルツルもちもちのうどん
主力選手となるうどんは、毎日営業前に仕込まれます。うどんに使用するのは、香川県産の「讃岐の夢2009」というブランドのうどん粉のみ。そして透き通るようなお出汁は、いりこと利尻昆布、醤油、砂糖、塩のみで仕上げられています。余計な物を一切入れていないシンプルな味わいは、全部飲み干してしまうおいしさです。
温かいうどんに冷たいうどん、かま玉うどんなどたくさんのメニューが並びます。中でも梅しぐれうどん(960円)や、天ちりうどん(960円)が定番人気だそう。また、ごはんものをセットにできたり、バッテラ(650円)やおいなりさん(1個100円)などのサイドメニューも充実しています。
季節限定メニューにジェラート、焼き菓子も!
通常メニューのほか、季節に合わせたメニューも見逃せません。沖縄のソーキそばをイメージしたやんばるうどんなど、店主がいろいろな料理を食べ歩いて得たインスピレーションを、季節に合わせたうどんへと変化させて提供しています。
そしてデザートもお忘れなく!うどんを楽しんだあとには、手作りの季節のジェラート(シングル300円、ダブル600円)を味わえます。チョコやピスタチオといったジェラートの定番フレーバーから、その時期だけの限定フレーバーが登場します。
また店内の片隅には、製菓を学んだ店主の奥さまが担当するスコーンやマフィンなどの焼き菓子コーナーが。こちらをお目当てに来店する方も多く、早々に売り切れになることも多いそう。ラインナップや販売状況はInstagramの専用アカウントで事前に確認することをおすすめします。
いろんなエッセンスが詰め込まれたお店
ベースはうどん屋さんですが、コース料理やジェラートを味わえたり、焼き菓子コーナーがあったりと、様々な楽しみ方ができるいちこまには、「うどんだけじゃなく、色々あったほうが楽しい」という店主の生駒雄一さんの想いが詰まっています。
そもそも生駒さんがうどん屋を始めようと思ったのは、オーストラリアでワーキングホリデーをしていた時、冷凍のうどんが日本食レストランで高値で提供されていたのを見たことがきっかけだったそう。「本当にうまい打ち立てのうどん屋を海外でやったらどうだろう」と思い付き、帰国後、東京の讃岐うどん屋で修行を始めました。
修行をしながら様々な食と出会う中で、うどん以外に洋食やフレンチ、イタリアンなどにも興味が湧くように。そこから生まれたのが、現在のお店に繋がる「うどんプラスアルファ」の発想です。うどんの修行を終えた生駒さんは、すぐに愛媛県松山にある様々なジャンルの料理を提供するお店で修行を始め、デザートを含めたフルコースを手がけるシェフとして経験を重ねます。
そして全ての修行を終えたのが、27歳の時。実家である寿司屋さんの裏の土地で、「練習のつもりでやってみよう」といちこまをオープンしました。由利本荘市はラーメンやそばの人気が高い土地ということで、うどんが定着するかどうか当初は不安もあったと生駒さんですが、年々お客さんが増加。今では県外からも多くのお客さんが訪れる人気店となりました。
「うどんは茹で上がるのに時間がかかるので、お待たせしてしまうのが本当に申し訳なくて」と話す生駒さん。待ち時間を少しでも快適に過ごしてもらえるよう、店内には本やマンガなどが充実しています。
老若男女に愛されるまちのうどん屋さん
オープンから13年たった今では、高校生だったお客さんが結婚をしてお子さんを連れて来ることもあるそう。生駒さんは、そんなお客さんの姿を見ることが何よりも嬉しいと話します。
歯が生えた赤ちゃんからお年寄りまで、由利本荘市の新たなソウルフードとしてまちの人々に愛されているいちこまのうどん。並んででも食べたいおいしさが、そこにあります。ぜひ一度お楽しみください!
*価格は全て税込
*土日祝日は混雑する場合があるため、席の譲り合いにご協力をお願いします。