2024年12月、北秋田市の交流施設「市民ふれあいプラザコムコム」の1階にオープンした「薬膳喫茶YOYOJOJO（ヨーヨージョージョー）」は、薬膳の知恵がいっぱい詰まった料理が気軽に楽しめるお店です。身体が喜ぶランチで寒さを吹き飛ばして、体の内側から元気になりましょう！

身体が喜ぶ薬膳ごはん

薬膳とは、健康維持や病気の予防などを目的とした料理のこと。中国の伝統医学の考えに基づき、季節や体調に合わせて食材や生薬を選ぶのが特徴です。たとえば、寒い日に生姜を食べて身体を温めたり、胃腸が弱っている時に消化を助ける食材を選んだりするのも、薬膳の一例です。

料理を作るのは、元養護教諭であり日本中医薬膳師の資格を持つ、店主の武田美知子さん。11年ほど前から、北秋田市内で定期的に薬膳料理教室を開催してきました。長年培ってきた知恵と経験を元に、美味しい品々を提供しています。

季節に合わせた食材をいただくランチ

1日10食限定の「薬膳ランチ」は、季節に合わせて献立を決めています。この日は12月中旬で、二十四節気の「大雪（たいせつ）」に当たる時期。本格的な冬が訪れて寒くなると同時に、忙しさから疲労が溜まりやすくなる傾向があるため、気・血を補い、腎を元気にする食材が中心でした。

血の巡りを良くする黒米のチャーハンをメインに、イライラを抑えるセロリや、気の巡りを良くするブロッコリーのあんかけなどの小鉢、そして野菜たっぷりのスープ。醤油や味噌などの基礎調味料も無添加のものを中心に一つひとつ厳選しているというだけあって、とっても丁寧な味が身体の隅々まで染み渡ります。

こだわりの自家焙煎コーヒーも

自家焙煎コーヒーにも力を入れており、お湯の温度や淹れる時間は豆ごとに調整。注文を受けてから一杯ずつ丁寧に淹れています。提供するカップも、お客様の顔を見て「この方にぴったり」と感じたものを選んでいるそうです。

元気になれる居場所としての「喫茶店」

「ただ美味しいものを出すだけじゃなく、食と健康について考えるきっかけを提供できるようなお店にしたい」と話す武田さん。「『これを食べたら元気になったような気がするけど、どうして？』という経験を通して、普段から食養生を意識するようになると、身体の調子が変わっていきます」

長年鷹巣で暮らしてきた武田さんには、昔より少なくなった「喫茶店という居場所」を作りたいという考えもあります。「仕事帰りにコーヒーを一杯飲んで、気持ちを切り替えて家事を頑張れたり、情報交換をしたり…。私にとって『喫茶店』は、そういう場所。美味しいものを食べて、心も元気になってもらえたら」と、とっても温かい笑顔を見せてくれました。

病院に行くほどではないけれど、なんとなくスッキリしない…。そんなちょっとした不調を見て見ぬフリしている方は、ぜひ2025年のスタートに「食」を見直してみませんか？きっと「薬膳喫茶」がそのきっかけになってくれますよ！