a.woman世代に人気の習い事のひとつが「ヨガ」ではないでしょうか。スポーツクラブのプログラムやヨガスタジオでのレッスンなど、その形はさまざまです。個人で場所を確保して講座を開く講師も多くいます。その中の一人、秋田市でヨガ講師として活動するマクギバン順子さんに魅力や注目のパークヨガについてお話を伺いました。
ライフワークとなったヨガとの出会い
マクギバン順子さんは小学生2人のお子さんがいるお母さん。国際関係の職に就いていた夫の仕事の都合で秋田に移住してきました。今は主に秋田市内のコミュニティーセンターなどで月に数回ヨガ講座を開いています。
ヨガとの出会いは2014年に第一子を出産した後のこと。産後の不調や自分の体と向き合うために始めたのがきっかけでした。その後、第二子を出産し子育てが少し落ち着いた頃、ヨガを本格的に学び資格を取得。2021年からヨガ講師として活動しています。子連れのお母さんから高齢の男性まで、性別や年代も様々な人たちが参加しています。
学生向けのボランティアから始まったパークヨガ
マクギバンさんのヨガ講座で人気なのが5月から10月にかけて行っているパークヨガです。パークヨガは名前の通り公園で行うヨガのこと。マクギバンさんはヨガ講師を始めた当初から定期的に行っています。きっかけは学生向けのボランティアで開いたヨガ講座でした。
20歳前後の頃、自分って何なんだろう?と考えてしまったり、生きることに対してネガティブな感情を抱いてしまったりしたことはありますか?私は、大人でも子どもでもない微妙な感覚で過ごす日々に不安をもち、本当の自分は何かを探していたような記憶があります。
マクギバンさんも、20歳前後の頃はどこか生きづらさを感じていたそうです。また、身近にその年代の子を亡くした親御さんがいて、自ら命を絶ってしまう若者がいる状況をくい止めたいという思いを抱いていました。
若い人が自分自身と向き合えるようにと講座を開くことにしたとき、その世代の人たちが来やすくて負担の少ない、公園で行うパークヨガにたどり着いたそうです。
太陽の光を浴びて、幸せホルモンをつくり出す
太陽の下、自然のパワーを感じながら行うヨガは室内とは大きな違いがあります。暖かい日差し、心地良い風、聞こえてくる鳥のさえずり。自然を感じながら日光を浴びることで「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を活性化させていきます。セロトニンは不足するとうつの症状と大きく関係するといわれているホルモン。太陽の下で体を動かすことは、日照時間の少ない秋田でセロトニンの分泌を活性化できる貴重な時間です。
また、ヨガを通じて運動習慣を身につけ、知り合いができることで、冬になっても外出したり人に会ったりすることが習慣化し、うつになりにくい体へとつながるとマクギバンさんは考えています。
ヨガの哲学で日常生活も豊かに
ヨガというと女性のイメージが強いですが、歴史を遡ると、元々は男性が政治や社会を円滑に進めていくための修練法として伝えられてきたものでした。単なる運動ではなく、自分の肉体や魂を整えるためのツールだったそうです。
マクギバンさんもヨガ哲学で人の心の動きを学び、自分自身の変化を感じていました。
「例えば子どもを叱る時。否定して相手を正そうとするのと、相手を肯定しつつも改善点を伝えて正すのとでは、言われた側の心の動きが違いますよね。」とマクギバンさん。人の心の動きが分かるようになり、物事を冷静に捉えられるようになったと話します。
深い呼吸とともに自分の体と向き合うヨガ。体がついていかず難しいと感じる生徒さんもいます。その感覚こそが本来の自分を思い出すこと。自分のやりたいことと、自分ができることのギャップを受け入れ、その中で心地良い部分を探していく感覚。このストレス社会では誰もが必要とする時間なのかもしれません。
朗らかで穏やかなマクギバンさん。レッスンへの姿勢や生徒の方々との信頼関係がその人柄を物語ります。ヨガレッスンは一呼吸ごとに体と自分がゆっくりとマッチしていく感覚です。これからの季節、青空の下で自然のチカラを感じながらのパークヨガを体験してみてはいかがでしょうか。
レッスン料は、室内ヨガの場合は1000円(初回は無料)、パークヨガ(5~10月)は500円です。
※価格は税込です