講師の福岡祐子さんが、秋田市の自宅の一室で開いているアート教室、Luana(ルアナ)。アルコールインクアート、ストームグラスなど、さまざまなアートを体験できます。気さくな福岡さんと話しながら手を動かしているうちに、自分の「好き」を思い出せます。

警察官から、アート教室の先生へ
福岡さんの前職は警察官。息子さんが小学1年生のときに「子どもとの時間を大切にしたい」と退職しました。ところが、生活のリズムが大きく変わり、動き続けてきた毎日とのギャップに体調を崩してしまいました。「何かやらなきゃ」と思い、2019年頃からアルコールインクアートやレタグラフィーを本格的に学び始め、2023年4月からアルコールインクアートのワークショップをスタートしました。


樺細工がものづくりの原点
福岡さんの実家は角館にある樺細工の工房。子どもの頃からものづくりは身近な存在でした。伝統を受け継ぐ確かな技術に触れて育ったからこそ、自分自身の表現についても考えるようになった福岡さん。「決まった形を大切にするものづくりも、本当に素敵だと思っています。でも私は、もう少し感覚に任せて、自由に表現するほうが合っているのかもしれないと感じたんです」。好奇心のままに学びを重ね、現在はアルコールインクアート、ストームグラス、ジェスモナイト、ポーリングアート、モダンカリグラフィー、レタグラフィーなど、さまざまな表現を教えています。


正解のない世界に出会えた、アルコールインクアート
アルコールインクアートは、専用の紙にアルコールインクを垂らし、風を送ったり、傾けたりしながら模様を広げていくアートで、偶然生まれるにじみや色の重なりを楽しみます。「正解がないところに惹かれました」という福岡さん。うまくいかなかったと思う絵も、「失敗」と決めつけず、絵の中で「きれいだな」「好きだな」と思える部分を切り取り、作品に仕上げます。作品づくりを通して、物事を前向きに捉えられるようになったといいます。


「好きな色は?」「どこに飾りたいですか?」などと会話をしながら、色を選びます。乾いていく過程をゆっくり眺めたり、息を吹きかけて模様の変化を楽しんだり。作為的につくり込むのではなく、流れに身を任せながら、世界にひとつだけの作品を生み出していくところが魅力です。


結晶の変化を楽しむ、ストームグラス
ストームグラスは、ガラスの中で結晶が変化し、日々の表情を楽しめるインテリアです。福岡さんは、2022年に秋田県第1号の「結晶師」に任命され、制作と指導を行っています。材料を0.001グラム単位で計測し混ぜていく工程は、まるで理科の実験のよう。「朝起きたら今日の結晶を見るのが楽しみなんです」と、生活の一部として作品を楽しむ方も多いそうです。

文字で気持ちを表現する、カリグラフィーとレタグラフィー
モダンカリグラフィーは、線の強弱やリズムを楽しみながら文字を書く表現。レタグラフィーは、伝えたい言葉や想いを、デザインとして文字に表すアートです。カードや見出し、ちょっとした贈り物にも活かせるため、日常に取り入れやすいのも魅力です。福岡さんは秋田県第1号のレタグラフィー認定講師としても活動しています。

人とのつながりが、教室を続ける力に
通っているのは、20代から50代までの女性です。遠方から通い続けてくれるリピーターの方、新しいことを始めたいと思って来た方、忙しい日常の中で、ほっとひと息つく時間として通っている方。一人ひとりの存在が、福岡さんにとって大きな励みになっているといいます。また、趣味として楽しむだけでなく、希望する方には各メニューの資格取得に対応したコースも用意されています。実際に、自分の教室を開く生徒さんも生まれ、Luanaを起点に少しずつアートの輪が広がっています。

まずは、気軽に一度
自宅教室のほか、積水ハウスの展示場や、潟上市にあるcafeやどり木でも、ワークショップを開催しています。Instagramのカレンダーで日程をご確認の上、ご予約はDMで「お名前・ご希望のメニュー・ご希望日」をお送りください。

アルコールインクがゆったりと広がる様子や、ストームグラスの結晶をぼんやり眺める時間は、思っている以上に心を癒してくれます。忙しさの中で置き去りにしてきた、自分の感覚を取り戻す時間にもなりました。ぜひ一度、大人のためのアートを体験してみてください。
