おいしいお菓子があると、お茶の時間が楽しみになります。「め・へさけ」はイベントでの販売や受注販売を主に行っているお菓子屋さん。小林華奈子さんが秋田市内に工房を構え、季節のケーキや焼き菓子を日々生み出しています。「ほっと一息つくときに寄り添えるお菓子でいたい」という小林さんに、活動について伺いました。
根強い人気のほろほろクッキー
イベントに並ぶお菓子のラインナップは、クッキーやパウンドケーキなどの定番の焼き菓子類と、季節に合わせて作るケーキ類です。2016年の工房スタート時からずっと作り続けている「ほろほろクッキー」は、いつ食べてもほっこり美味しい定番の代表格です。一方、生ケーキやタルトは秋田産の果物などを使った季節限定品。リンゴや桃などその時入手した材料で作るので、出会えたらラッキー、というワクワク感があります。
季節の果物を生かしてケーキに
秋田市郊外にある「め・へさけ」の工房を訪ねました。平日はお菓子の製造や開発にあてており、この日は「いちじくのタルト」の準備を見せてもらいました。冷蔵庫に寝かせておいたタルト生地をのばし、手早く型に敷き詰めていきます。この後フィリングを絞り、イチジクを載せて焼き上げるそう。作業の合間には時折、注文していたお菓子を受け取るお客さんが訪れていました。
ホームグラウンドになった五城目朝市
「め・へさけ」の活動の中で、柱とも言えるのが五城目朝市への出店。初年度から継続しています。「め・へさけのホームグラウンドのような場所」と小林さんがいうほどです。出店させてもらっているという初心を忘れず、周囲に合わせて朝早く開店することなどを心掛けてきました。「人があたたかいのが五城目の朝市の魅力。食べてみて気に入ったといって、リピーターさんが増えていきました」と小林さんは朝市の楽しさと手応えを語ってくれました。
子育てしながら働ける場所をつくる
小林さんは洋菓子を専門としています。企業や東京の専門学校で洋菓子製造を学び、地元のケーキ店や結婚式場で経験を積んできました。「特に式場の現場では、お客様のどんな注文にも応えるという姿勢で力を尽くしました」と小林さん。子育てのため現場を離れていたところ「バースデーケーキを作ってほしい」といった要望を受けるようになりました。そこで、子育てしながらお菓子の製造販売ができるように工房をスタート。現在の働き方を模索してきました。お菓子を作っているのは小林さんですが「決して私一人のお店ではないと思っています」といいます。週末のイベント出店に送り出してくれる小学生2人のお子さんとご主人をはじめ、ご両親ら家族の存在が支えとなっています。
「秋田は美味しい素材に恵まれているので、それらを生かしたお菓子作りをしていきたいです」と小林さん。これからの季節は、ハロウィンやクリスマスなどイベントに合わせたギフトセットなども登場する予定。「め・へさけ」のお菓子を求めに、五城目朝市やイベントに足を延ばしてみませんか?
今は受注販売が中心ですが「いずれは、予約なしでふらっと来てお菓子を買ってもらえるようにしたいです」と小林さんは話してくれました。クッキーやケーキはひとつひとつ丁寧に作られていて、ほっとする味。家族とお茶の時間を楽しみました。これからも「め・へさけ」の出店を楽しみにしています。