海と山の両方に近く自然豊かなにかほ市。日本海の夕日や鳥海山、清涼な伏流水など見どころたくさんあります。そんな鳥海山麓に、2023年にオープンし地元客やバイカーに愛されるお店があります。にかほ市象潟出身で海外生活を経てUターンした料理人、篠原秀和さんが営む「まさえんzero(まさえんぜろ)」では、本場仕込みのピッツァやあつあつのドリアがいただけます。
鳥海山を望むアクセスのよい立地
「まさえんzero」はにかほ市象潟の小滝地区にあります。日本海東北自動車道の象潟ICからは車で数分の県道58号線沿いで旧上郷小や金峰園(カフェ)が近く、上郷温水路群や獅子ヶ鼻湿原などの史跡・観光地への途中という立地です。
バイク関連のコレクションを展示
「こちらでお食事をしていただけます」とスタッフさんにまず案内されたのが、まさえんzeroと同じ敷地内に立つ「caffe CODA(カフェ・コーダ)」。元住居だった建物を改装して2023年12月にオープンしました。店内に入るとバイクをはじめ関連のコレクションが飾られていて、目に入ってくる情報量の多さに圧倒されます。
caffe CODAの中央、テーブルに囲まれているのはイタリア・Ducati 社のバイク。右手奥は篠原さんのバイクコレクションが収められたガレージです。イタリアで手に入れた年代もののバイクを自らレストアしています。店内はテーブル席のほか、鳥海山を望むカウンター席、ソファ席があります。涼しい室内でできたてのピッツァ、ドリアを味わえます。
取材時は夏休み中ということもあって、店内はツーリング客らでにぎわっていました。また、ピッツァのテイクアウトに訪れるお客が続々と訪れます。山形県境に近く観光地へのアクセスがよく、山や海の景観を楽しめる環境はツーリング客にとって大きな魅力だそう。
ピッツァの生地はもちもち食感
同店で人気の「マルゲリータ」(950円)を焼いてもらいました。台の上で手早く記事を伸ばし、トマトソース、オリーブオイル、チーズ、生バジルを載せて窯に入れます。生地の縁がぷくーっと持ち上がってわずか数分で完成。口に運ぶと、生地は薄いけれどもっちりとしています。篠原さんによると、ピッツァの系統としては「現代ミラノ」とのこと。
CODAの店内からも、屋外のテラス席からも間近に鳥海山を眺めることができます。取材日は残念ながら山頂に雲がかかっていましたが、緑豊かなロケーションでピッツァをほおばっていると日頃の憂さを忘れてしまいます。
これからも楽しい計画が続々と
まさえんzeroのある場所で生まれ育った篠原秀和さん。寿司店での修行を経て単身イタリアに渡り、24年間和食の職人としていくつもの店舗を運営してきました。妻の恵さん、同じく和食の職人・水野崇之さんと故郷にピザ店を開いたのは、帰国してから偶然ピザ窯が手に入り自分たちが慣れ親しんだイタリアの味を提供しようと思ったからといいます。2023年7月の開店から1年経って篠原さんは「1,000円のピッツァでお客さんを幸せにできる。こんなハッピーなことはない」と実感しています。
現在はさらに1日1組限定の予約制で、東京そしてミラノでの料理歴30年を生かした寿司をメインとするイノベーティブ料理を提供中。ちなみに予約は3ヵ月待ちだそう。今後についても「アパレルブランドの展開や、将来的には至高の宿をつくりたい」と構想をあたためています。
お店のあるにかほ市象潟町の小滝地区は近年カフェなどの開店が相次いでいて、地元からも注の目されているそうです。お店同士が互いに切磋琢磨して、地域を盛り上げていこうという熱意が感じられました。秋の観光シーズン、にかほ地区の周遊もおススメです。
※価格は全て税込。