いよいよ秋田も本格的な冬に突入しましたね!寒〜い季節には、体の中からあったまる甘酒はいかがでしょうか?そこで今回は、自家製甘酒が話題の工房「あまざけらぼ」にお邪魔してきました。
「糀からお手製の甘酒をつくりたい!」と一念発起
秋田市雄和で、糀(こうじ)から手作りの甘酒をつくっている打矢智己(うちやともみ)さん。3年ほど前、いただきものの米糀タイプの甘酒を飲んでいるうちにその美味しさに目覚め、「もっと飲みたい、糀からつくりたい」と思うようになったんだそう。
「祖母がつくった砂糖たっぷりの甘酒で育ったので、糀の自然な甘さを知って、水と糀だけでこんなに美味しくなるんだ!と。実家で以前、縫製会社を営んでいて、洋服になる前の状態をよく見ていたので、甘酒の元をたどりたくなったんだと思います」。
会社勤めをするかたわら、一から独学でスタートした無添加の甘酒づくり。2018年には「あまざけらぼ 」と屋号を掲げ、さまざまな出会いをきっかけに、イベント各地でお手製の甘酒を振る舞うように。そして今年4月、甘酒づくりの拠点となる念願の工房が完成し、小売店への卸しやイベント販売を始めました。
(道路沿いの看板が目印。※工房開放時のみ設置)
この場所に工房を構えた理由を聞くと、「建物の1階は祖父母がわらじづくりをする作業場なのですが、祖父母は私のことが心配で、工房の立ち上げに反対していたんです。だから、私が頑張っているのを近くで見て欲しくて」と打矢さん。幼少の頃から物づくりを間近で見てきたこともあり、お金を自分で生み出す面白さにも気づいたといいます。
糀に寄り添い、糀と対話する作業
甘酒づくりを始めたことが縁で、打矢さんは現在、平日は大仙市の種麹製造会社に勤務しています。繁忙期である冬は、月〜金曜の8〜17時勤務のため、甘酒を仕込む日はなんと夜中3時起床なんだとか!空いた時間を見つけては作業を続け、約10kgの米糀が出来上がるまで約2日、その米糀をもとに約26Lの甘酒を仕上げるまで最低でも2日はかかるそうです。
(糀の温度管理はもちろんのこと、甘酒の液体温度もきっちりと酵素が働く55℃をキープ)
“飲む点滴”を目指して試行錯誤を繰り返しているうち、米の品種にも着目。「日常的な健康づくりに役立てたい」と血糖値の上昇が緩やかなササニシキを求め、由利本荘市で減農薬のササニシキをつくっている農家さんとの出会いにも恵まれました。
「自分で糀を育てるのが本当に楽しいんです。思い通りにいかないことも多いですが、手をかけた分返ってくるんですよ。香りが栗っぽかったり、フルーティーだったり、噛むと甘かったり。触れているだけでワクワクするから、なるべく糀のそばにいたいんです」と、その想いを語ってくれました。
(糀菌を繁殖させるために、手早くかたまりをほぐして米全体に酸素を送り込む「切返し」という作業。ほかほかの温もりとほのかな香りが広がります)
12月15日に工房で甘酒販売会を開催します!
そうして出来上がった甘酒「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)」は、Instagramでの受注を始め、潟上市・ダイサンクレタ店で販売中。また、冬期限定で秋田市・山王デリカテッセンでの販売も開始しました。賞味期限は冷蔵で2週間、冷凍で1カ月保存することができますよ。
(パッケージは600ml入りのパウチタイプ。白米・五分づきは各750円、豆乳甘酒は850円で販売しています/あまざけらぼ Instagramより)
また、月に1回は工房を開放して、事前注文の甘酒販売会を開催しています。エスプレッソマシンで淹れたコーヒーの提供など“甘酒プラスα”も楽しめるので、気になる方はぜひドライブがてら行ってみては。次回開催は12月15日(日)11:00〜16:00です!週末はイベントに出店することも多いので、Instagramをチェックしてくださいね。
(建物2階にある工房へ階段を上がると、こんなステキな空間が)
(窓の外に目をやると、太平山と雄物川、そしてのどかな田園風景が広がっていました)
「甘酒づくりを通していろんな人との出会いがあって、顔が見えるやりとりがありがたいなぁと。いいものを作るために、分からないことを聞ける存在がいると心強いので、もっと仲間を増やしていきたいです。経営は難しいですが、楽しみながら細く長く続けていきたいですね」。県外進出やネット展開を視野に入れつつ、活動の場を広げる打矢さんのこれからに注目です!
※価格は全て税込。
【自家製甘酒工房 あまざけらぼ】
秋田市雄和新波字山崎198
電話番号/080-4737-8833
メールアドレス/tomomi.uchiya@icloud.com
販売店/ダイサンクレタ店、山王デリカテッセン(冬期限定)
Instagram
※1〜2月は工房の開放をお休みします。