2020年11月に大館市の街なかにオープンした「庭caféくら」は、明治以前からある蔵と、蔵の入り口を包み込むようにして建つ小屋を改装した隠れ家のようなフランス料理店。150年の時の流れを感じさせる店内で、見た目も美しいフレンチのコースを味わうことができます♪
訪れた日は、寒波が襲来し大荒れの天気! 雪まみれになって店内に入ると、薪ストーブの柔らかい暖かさが身体中に染み渡り、ホッと癒されました。白い壁、年月を経てツヤのある柱や梁、重厚感のある蔵の扉。ゆったりとした時が流れる居心地の良い空間です。
ランチのコースを堪能♡
ランチメニューは、肉料理か魚料理を選べる1,200円のコースと、肉も魚も楽しめる2,000円のコースの2種類。今回は奮発して、2,000円のコースを注文しました。
最初に出てきたのは、オリーブオイルを添えたパン、そして彩り鮮やかな前菜。
本日の魚は、宮城県産の真鯖。皮目をカリッと焼き上げた鯖と、バルサミコソースの相性がバツグン! 鯖の脂とソースの酸味と甘味が絶妙に絡み合い、あまりに美味しくてパンでソースを全部拭って食べてしまいました。
お肉は岩手県産の鶏もも肉。粒マスタードのさっぱりしたソースが、ジューシーな鶏肉の美味しさを引き立たせています。付け合わせの野菜にもソースを絡めていただき、最後はやっぱりパンでソースを拭って完食!
デザートはさっぱりとしたシャーベット。シロップに漬けたデコポンは、表面を軽く炙っていて、カリッとした食感が最高です。コーヒーは別料金(400円)。ゆっくりと時間をかけてコース料理を味わい、とても満たされた気分になりました。
昔ながらの蔵は、心落ち着く癒しの空間
オーナーの石塚充子さんは、蔵の整理をきっかけにお店をオープンしようと思いつきました。「夫の実家が代々所有してきた古い蔵に、物がたくさん入っていたので少しずつ片付けていたんです。蔵の中にいると心が落ち着くなぁと感じて、ここで何かできないかな、と考えました」
最初は、隣接する老人福祉施設の利用者さんの憩いの場として活用していましたが、ご縁があってシェフの高橋優太さんと出会い、フランス料理店として生まれ変わりました。“昔の蔵と、フレンチのコース”という斬新な組み合わせが、ゆるやかな時間の流れを生み出しています。
フレンチを気軽に楽しんで
シェフの高橋さんは大館出身。宮城県の大学と調理師専門学校に通い、塩釜市のフレンチレストランで修行を積んだ後、帰郷し石塚さんと出会いました。
「敷居が高いと思われているフレンチを、もっと気軽に楽しんでもらいたい」と考える高橋さんは、美味しさと楽しさを追求し、料理に工夫を凝らしています。「ご要望があれば高級食材も使いますが、鯖のような普段から馴染み深い食材を使って、いかに化けさせるかを考え、新しいことに挑戦しています。美味しい! また来たい! と思っていただけたら嬉しいです」と高橋シェフ。
「難しい作法に悩まず、料理を味わってほしい」と、フォークやナイフだけでなく箸も用意されているのが、嬉しい気遣いです。
四季折々の風情を楽しめる庭
市の中心部にありながら、木々に囲まれた自然が魅力の庭caféくら。春から秋にかけては、たくさんの花が咲き乱れ、窓辺の景色を楽しむことができます。雪景色が広がる冬の間も、木立に集まる鳥の姿が見られるのだそう。
フランス料理は、ワインと組み合わせることで相乗効果が生まれ、さらに美味しく味わうことができるのだそうです。お店のワインクーラーにはワインがずらりと並び、なんと、お昼でもワインを提供しています。「ぜひ、ワインと料理のマリアージュを楽しんでください!」と高橋シェフ。
家族や親しい人たちと、お誕生日や記念日を祝うのにぴったりなお店です。お子様連れでもOK。帰りの足を確保して、ワインと一緒にコース料理を堪能してみてはいかがでしょうか♪
DATA
【庭caféくら】
住所/大館市桜町35
TEL/0186-99-0329
営業時間/ランチ12:00〜14:00・ディナー18:00〜21:00
定休日/月曜・火曜
駐車場/あり
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