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〈大館市〉女性目線のお弁当箱やアクセサリー♡「曲げわっぱ工房E08」

2022年5月28日、伝統工芸士・仲澤恵梨さんが大館市に「曲げわっぱ工房E08(いいわっぱ)」をオープンしました。女性が独立開業するのは、曲げわっぱ業界初ということで、今、注目を集めている職人さんです。お客様とコミュニケーションを取りながら、女性ならではの目線で製品作りと細やかなアフターフォローを心がける仲澤さんの工房に行ってみましたよ〜♪

(実家の車庫を改装した工房。5台分ほど駐車スペースも確保されています)

ものを作るのが好きすぎて♡

小さい頃からものづくりが好きだった仲澤さんは、秋田職業能力開発短期大学校の住居環境科で建築について学び、木材加工に興味を持ったのだそう。卒業後、曲げわっぱの製造販売を行う柴田慶信商店に入社して曲げわっぱづくりに従事し、13年目となる平成16年、伝統工芸士に認定されました。約20年勤めた柴田慶信商店を昨年9月に退社し、工房をオープンしました。

※伝統工芸士…経済産業大臣指定の「伝統的工芸品」の製造に12年以上従事している人が、「伝統工芸士認定試験」に合格すると認定される国家資格。

(仲澤さんのオリジナル製品、リバーシブルなお盆。表と裏で模様が違うんです!)

「柴田慶信商店に入社した時から、修業して伝統工芸士になり、独立して自分の工房を持ちたいと社長に話していました。ものづくりに近道はなく、コツコツと地道に覚えて身につけていく、とても時間がかかる世界です。“これで完成!”ということはないので、いまだに成長中です」と、常に試行錯誤を重ねて学び続ける仲澤さん。ものづくりが好きすぎて、作業を始めると没頭してしまい、「働きすぎだよ〜」と旦那様に注意されることもあるのだとか。

(樺とじの作業をする仲澤さん)

細やかな気遣いあふれる曲げわっぱ製品

そんな仲澤さんが心を込めて作るのは、お弁当箱やおひつ、お盆などのほか、小物入れやアクセサリーなど、女性の心をつかむ可愛らしい製品たち。

10種以上並べられているお弁当箱は、サイズや深さがさまざま。少量がいい人、たっぷり詰めたい人、ご飯だけを持っていきたい人、それぞれのニーズに合わせて好きなものを選ぶことができます。ふたの深さもまちまちで、ピタッとしめたい場合には浅めのもの、少し盛り上がるように中身を詰めてふわっとふたを乗せたい場合は深めのものを選ぶのがいいそうです。

(「E08」のロゴを模した樺とじにもバリエーションがあります)

「欲しいけど手が出ない」を解決したい!

お弁当箱は塗りのない白木で、「杉の木が持つ調湿作用で、ご飯やおかずがとても美味しく食べられます」と仲澤さん。「曲げわっぱのお弁当箱が欲しいけれど、お手入れに自信がないとおっしゃる方が多いです。でも、大事なのは汚れを落とすこと乾燥させることで、実際はそんなに難しくないです」と、8年ほど使用しているご自身のお弁当箱を見本に、日々のお手入れ方法を教えてくださいました。

お弁当箱のお手入れ方法】
<使用前>
お弁当箱に中身を詰める前に、ぬるま湯か水で内側を濡らす(油しみなどを付きにくくするため)。
<使用後>
①空になったお弁当箱を、手でさわれる程度の熱いお湯に10分ほどつける(油汚れが浮いてくる)。
②タワシでゴシゴシ強めにこする。
③中性洗剤またはクレンザーを使って洗い、しっかりすすぐ。
④布巾で水気を拭き取ったら、内側を上にして24時間しっかり乾燥させる。

24時間乾燥させる必要があるので、毎日使いたい場合は2個用意しておくといいでしょう。お手入れのポイントは、タワシでゴシゴシこすること! 汚れが残っていると黒ずんできてしまうので、しっかりこすることが大事です。何度も洗っているうちに内側がボサボサしてきますが、問題ありません。「もし、黒ずみやボサボサが気になったら、メンテナンスするのでご連絡ください」とのことで安心ですね♪

アクセサリーや小物入れも

女性なら思わず吸い寄せられてしまうのが、アクセサリーコーナー。可愛らしいピアスやイヤリング、小物にも、樹齢150年の天然杉が使われているんです。木目が細かくて、とてもオシャレ! 曲げわっぱで小さなものを作るのは、とても難しいのだそうですが、「自分が欲しいと思うものを作っています。そうしないと、お客様の心に響かないと思うから」と仲澤さん。手間を惜しまず丁寧に仕上げているので、手にしっくりとなじみ、ずっと持っていたくなる幸せな手ざわりです♡

曲げわっぱに親しんでほしい

(柴田慶信商店にいた頃に製作したオリジナルの作品)

今後は、銀線細工やアウトドア用品などとコラボして、今までにないものを生み出し、曲げわっぱの可能性を広げていきたいと夢を描いている仲澤さん。「曲げわっぱは値が張るけれど、一度買ったら長く使うことができます。せっかく買ったなら、眠らせておくのではなく気持ちよく使っていただきたい。だからお客様の相談に乗り、メンテナンスのご相談にも応じます。この工房が、気軽に親しんでいただけるとっかかりになったら嬉しいです」。柔らかな笑顔でいろいろな質問に答えてくださる仲澤さんと可愛らしい製品たちに会いに、曲げわっぱ工房E08へ行ってみませんか♪

DATA

【曲げわっぱ工房 E08(いいわっぱ)】
秋田県大館市二井田字村下165-2
TEL/0186-99-0505
営業時間/9:00〜17:00
定休日/土・日・祝日

Writer

Makiko

Makiko

有限会社無明舎出版勤務を経て、フリーライターとして、雑誌、フリーペーパー、WEBなどの記事を執筆。秋田県大館市在住。秋田県北を中心に、秋田の観光・食・子育て・話題のスポット・スポーツなどについて発信しています。 mama plan(ママプラン)所属
https://mamaplanodate.net/information/

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