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お母さんと子供のかけがえのない日々を幸せな空気ごと写真に収める

「くまの写真室」フリーカメラマン 小熊 珠見(おぐま たまみ)さん

子育てに奮闘する毎日の中で、子供の写真の整理はついつい後回しになってしまう…という世のお母さんは多いのではないでしょうか。とくに写真の世界がフィルムからデジタルに移り変わってからは、撮りっぱなしでゆっくり見直すことも少なくなりがちですよね。今回の「今月のCLOSE UP!WOMAN」は、そんなお母さん方必見の人物をご紹介します。

1日300枚撮り続ける日々が写真教室につながった

―― 小熊さんは、小さなお子さん専門のフリーカメラマンとお聞きしましたが、その活動内容と一眼レフカメラを始めたきっかけをお聞かせください。

小熊 主にベビー教室や子育てサロン、ママサークルでの出張撮影や、ベビーフォト、親子撮影、それから季節に合わせたロケーションフォトを中心に活動しています。もともと長女が産まれてからデジカメで撮影はしていたのですが、2008年の次女が1歳の頃、フリーカメラマンとして独立した友人が「今なら一眼レフも安く手に入るよ」と教えてくれて購入したのが始まりです。それから専門誌を片手に1日300枚ほどわが子を撮り続けまして、約2年半は独学で研究を重ねました。


(ベビーフォト)

―― そこから「くまの写真室」として活動するに至った経緯は?

小熊 自分の子供の園行事で撮影したお友達の写真を、ママ友のみなさんにプレゼントしたらとても喜ばれたんですね。それが嬉しくて嬉しくて、よく差し上げていたんです。そうした交流の中、フリーペーパーで「写真にこだわるママ」として取り上げていただきまして、それを目に留めた育児教室のオーナーから「写真教室をやってみませんか?」とお誘いを受けたんです。そうこうしているうちにベビー教室の出張撮影を依頼されるようになったので、2011年から本格的に「くまの写真室」をスタートさせました。昨年は撮影会を40回ほど開催して、延べ280組の親子を撮影しています。


(ベビーマッサージ教室での撮影の様子)

その時にしか見られない表情を撮るために・・・

―― 小熊さんの撮る写真は、みなさんとても自然で柔らかい表情をしているのが印象的です。撮影する際とくに心がけていることは?

小熊 まずは、初めての参加で緊張しているお母さんやお子さんに、撮影の時間を楽しんでもらえるよう配慮することです。撮影時間を短くし、お子さんが飽きないための工夫をする。または授乳スペースを確保する、などといったことですね。
さらに、お子さんの何気ない表情やしぐさを写真に収めたいので「作り込まないこと」も大事です。例えば、屋外撮影会は親子ひと組を15分で70~100カット撮影するのですが、お母さんがどんな写真を撮りたいか事前に伺いつつ、お子さんの気持ちや動きに合わせて、瞬時にシチュエーションや構図を決めて撮影していきます。たとえ人見知りのお子さんであっても、その時にしか見られない表情を収めることが大切な思い出の一つになると考えているので、無理はさせません。あとは自分が笑顔で撮ることですね。

 
(ロケーションフォト撮影の一コマ)

―― 一瞬一瞬が真剣勝負ですね!

小熊 そうなんです。どんな状況でも撮れない言い訳はできませんので、いくら経験を積んだとしても一瞬たりとも気は抜けません。撮影中はハイテンションで汗だくになって盛り上げますので、1日8組ほどロケーション撮影をした日なんかは家に帰ってぐったりしています(笑)でも喜んでもらえることを思えばうれしい疲れなんですけどね!実は、自分の子供が赤ちゃんの頃にこういう写真を撮ってあげたかったなぁ~という後悔の気持ちも多少ありまして、その分気持ちを込めて撮影しています。

―― 私も自分のことを振り返ると、きれいなお花や自然に囲まれながら子供と撮った写真があまりないので、もっと早く小熊さんと出会いたかったです(笑)

小熊 撮影会に来られたお母さんの中にも、「自分と子供が一緒に写った写真が少ないのでうれしい」と言ってくださる方が結構いらっしゃいます。赤ちゃんの頃からリピーターになって何年も撮り続けている方もいますので、そうなるともう近所のおばちゃん目線で撮影していますね(笑)撮影データ入りCDを購入した方にはアンケートをお願いしているのですが、「毎日育児がしんどい中で撮っていただいた写真を見たら、自然に笑っている自分がいてグッときました」といった感想をいただくこともあります。お子さんにとっても、自分を優しく見つめるお母さんとの思い出の写真が残るのは幸せなことだと思います。

赤ちゃん期は毎日が記念日!

―― 今まさに育児中のお母さんに、子供の写真を撮るためのアドバイスはありますか?

小熊 テクニックとしては、絞りを開放にして半逆光で撮影すると、ふわっと柔らかい写真が撮れます。それから、コミュニケーションをとりながら自分が動いて撮影すること。赤ちゃん期は毎日が特別でキュンとする瞬間がたくさんあるので、行事やイベントの時だけでなく日常の一コマを写真に残してあげて欲しいですね。抱っこ紐やベビーカーなど、その時にしか使わないベビーグッズを写真に残しておくのもいいですよ。あとおすすめなのが、子供がいたずらした時、怒る前にまずその現場を撮る!(笑)そうやって一呼吸置くことで笑いに繋がったりしますから、ぜひやってみてください。

お話くださる小熊さんからは、小熊さんが撮る写真同様、優しさと愛情、そして真摯に向き合うひたむきさを感じられました。まるで以前から知り合いだったかような親しみやすさも、繊細なお子さんたちにも受け入れられる要因だと思います。まずはホームページで小熊さんの写真に触れてみてください。そこに写るお子さんやお母さんの表情を見るだけで、幸せな気分をおすそ分けしてもらえますよ♪

※撮影協力:Venus Club(ヴィーナスクラブ)

■秋田のカメラマン小熊のホームページ「くまの写真室
■各種撮影会のお知らせはホームページをご覧ください。
■撮影依頼は、ホームページ内のメールフォームからお問い合わせください。
■「くまの写真室」Facebookページインスタグラム(アカウント名:kumakumaakita)もあります。

キーワード

秋田県内エリア

Writer

熊谷 清香

熊谷 清香

地元タウン誌や広告代理店勤務を経て、フリーランスで企画・編集・取材・インタビュー・ライティング等をしています。中高生の母。秋田市出身。

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