二田雪絵さんというよりも、柳本雪絵さんと紹介したほうがご存知の方も多いはず。二田さんはかつて、ABS秋田放送のアナウンサーとして活躍し、結婚・出産を経て、現在もフリーアナウンサーとして活動しています。そして2017年、3人のお子さんの子育てとフリーアナウンサーをしながら、アロマテラピーショップ「Pfre(ピーフレ)」を立ち上げました。その経緯やアロマに対する想い、子育てなどについてお話を伺いました。
オーストラリアで出会ったアロマの世界
— 二田さんが幼少期に過ごしていたオーストラリアでは、ハーブやアロマが暮らしに密着していたそうですね。
二田 そうなんです。オーストラリアでは、先住民アボリジニがさまざまな場面でハーブを活用してきた長い歴史があるので、現代でもリラクゼーションだけでなく身体の調子を整える時など、日常的にアロマを使います。
— 子供の頃からアロマの知識はあったのですか?
二田 両親や妹たちと暮らしの中でごく自然にアロマを使っていましたが、本格的に学問としてアロマテラピーを勉強し始めたのは大学生の頃です。
— そこからアナウンサーを目指したきっかけは?
二田 小学3年生の時に帰国したのですが、日本語をうまく話せないのを同級生に指摘されたんですね。そこで、日本語のプロであるアナウンサーを目指そうと。そこから逆算して、中学から大学までどこに進むか計画を立てました。
局アナウンサー時代に助けられたものは…
— 小学生ながらすごいですね!そして夢を実現させて、ABS秋田放送のアナウンサーとしてのキャリアがスタートしました。当時はどんなお仕事をしていたのですか?
二田 ズームイン朝の担当をしていて、荒波の中ハタハタ漁に出る漁船に乗ったり、カンジキを履いて4時間かけて雪山を登ったり、川辺の岩をどけて温泉をつくるような山奥の秘湯に入ったりと、とにかく体当たりのリポートをしていました。山奥では着替えやトイレの場所もないので、身体をすっぽり覆う簡易マントのようなものを自作してましたね〜。
— なかなかできない体験ばかりですね!
二田 そうして1年目は無我夢中で楽しく過ごしていましたけど、認知度が高まるにつれて、2年目の秋には視聴者の皆さんからの反応に悩まされるようになったんです。スーパーでほかのお客様からの視線が気になったり、自分への批判の電話やファックスを自分で受け取ってしまったり…。
もうだんだん外に出たくなくなってきて、家の中でハーブを育てたりアロマを焚いたりして過ごしていました。でも、そんな暮らしを続けていて、気づいたら元気になってたんですよね(笑)。そこで改めて、ハーブやアロマが気持ちの面でも作用することに気づかされました。
— 意識せずに接していたアロマの効用があったということですね。
二田 自分の好きなアロマの香りを嗅ぐことは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンやオキシトシンを増やすのに効果的と言われています。アロマを嗅いだ10分後にストレス値が下がるなど、即効性もあるんですよ。
仕事に子育てに奮闘していた東京での生活
— その後、ご結婚されて東京へお引越しされましたが、そちらでの生活はいかがでしたか?
二田 子どもも3人生まれまして、お仕事の方でもありがたいことに、テレビのリポーターやラジオパーソナリティーなどのレギュラーをいただいて、のびのびと仕事や育児に励んでいました。ですが、義父の死去や転勤などの理由で夫が秋田に戻ることになって。
私はレギュラーのお仕事があったので1年間は戻ることができず、その間一人で4歳以下の子ども3人の育児をしながら、同時進行で秋田に家を建てて、一番上の子が小学校に上がる年に子ども達と秋田に戻りました。一番下の子がちょうど2歳になったばかりの頃でしたね。
— その年齢のお子さん3人をお一人で育児するのは、相当苦労されたのでは?
二田 飼っている犬を動物病院に運ぶ時には、スリングにおんぶ、上の子の手をつないで、もう片手にはキャリーバッグを持って移動してました(笑)。でも子ども達もだんだんと、自分のことは自分でやるようになるんですよね〜。私がご飯を作っている時なんかは、2番目の子はパンツ型のオムツを自分で替えたりしてましたよ(笑)
子どもが洗濯物を畳むのを手伝ってくれた時も、出産前ならきちんと畳まないと気が済まなかったのが、子どもが畳んだものをそのままタンスにしまえるようになったりと、私の意識も変わりました。でもどうしても気になる時は、子どもが見てないところで畳み直すこともありました(笑)
2017年に念願のお店をオープン!
— アロマの資格を取ったのはいつ頃ですか?
二田 最初に資格を取ったのは14年前ですね。私がパーソナリティーをしていたラジオ番組にアロマのコーナーがあって、私も趣味で勉強を続けていたんです。そのコーナーの企画で検定を受けることになって。それで合格した時に、「これを仕事にしよう!」と初めて思いました。
その後、下の子が卒乳したのを機に「AEAJ認定アロマテラピーインストラクター」の資格も取って、フリーアナウンサー業をしながら、ママ友からレッスンの要望があった時には教えたりするようになりました。
— そして、満を持して2年前にお店を構えました。お店を持とうと思った一番の動機はなんですか?
二田 私が今なぜ秋田にいるのかと考えた時に、「アロマを利用して日々のちょっとした疲れやストレスを軽減させたり、秋田の皆さんの健康寿命を延ばしたりすることが私の役目なんじゃないか」と思うようになったんですね。
少しの不調なら自分自身で整える、いわゆる〈セルフメディケーション〉を気軽に取り入れて欲しいなと。それで、香りに関するあらゆる情報を発信できるお店を持ちたいと考えるようになりました。
— 店内には香りだけでなく食に関する商品もたくさんあるんですね!
二田 体に取り入れるという意味ではアロマテラピーも食も同じですので、ハーブティーやスーパーフードのほか、秋田産の味噌や醤油も取り扱っています。体調に合わせて自分で調合できる「セルフブレンドハーブティー」を提供するカフェも併設していますが、こちらはけっこう男性のお客様にもご利用いただいてますよ。
二田 それから、アロマテラピー講座やアロマワックスサシェ、ボディクリーム作りなど、各種ワークショップも定期的に開催しています。最近では〈体を整える〉という視点で、マクロビランチ会や手作り味噌講座なども行っていますので、興味のある方はホームページやSNSをチェックしてみて下さい!
(アロマワックスサシェ)
さまざまなオリジナルグッズを開発中
— アロマ商品の中で一番人気は?
二田 当店のオリジナルアロマネックレス「しずく」ですね。これは秋田市在住のガラス作家さんに一つ一つ手作りしていただいているので、形や大きさが同じものは二つとない商品です。付属のスポイトを使って、ガラス玉の上部にある小さな穴からアロマをごく少量入れていただくと、自分だけにほのかに香るのが好評なんです。
(オリジナルアロマネックレス「しずく」3,600円・スポイト付き)
— ほかにもオリジナル商品はありますか?
二田 「Akita 美人の香り(来店価格2,916円)」というオリジナルブレンド精油もあります。これは秋田杉の枝葉から抽出した精油に、ラベンダーとマージョラムをブレンドしているもので、高貴な香りとリラックス効果を楽しめます。
それから今開発中なのが、今年の春に発売予定のアロマ環境洗剤です。これは独自の配合に秋田杉とラベンダーの精油を加えた洗剤で、食器洗いや洗濯、掃除などどこでも使える万能商品なんです。使うたびに心地よい香りに包まれて、さらに環境にも優しいのでぜひおすすめですよ!
話していると次々と話題やアイデアが溢れてきて、その巧みな話術と好奇心旺盛さはまさにアナウンサーならでは!と感心しきりでした。店内には定番の香りグッズだけでなく、ハーブドリンクやアロマ手作りツールなど、ほかではあまりお目にかかれないアイテムも多数。何度も足を運びたくなるお店づくりと、二田さんの人を惹きつけるキャラクターで、これからのご活躍も期待しています!
【二田雪絵(ふただゆきえ)さんプロフィール】
東京生まれ。3歳から小学3年生までオーストラリアで過ごし、ハーブやアロマに親しむ。1997年、ABS秋田放送入社。元ABS秋田放送アナウンサー。現在は、フリーアナウンサー兼、AEAJ認定アロマテラピーインストラクターとして活躍。1男2女の母。
【アロマテラピーショップ Pfre(ピーフレ)】
住所/秋田市中通2-1-1 1F
電話番号/018-853-7278
営業時間/10:30〜18:00(カフェタイムは〜17:30)
定休日/水・木曜
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※価格はすべて税込み。