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四季を通して秋田の自然を遊び尽くす。子どもたちの「自然と共に生きる力」を育みたい。

特定非営利活動法人「Akitaコドモの森」理事長 小玉朋子さん

緑いっぱいの自然の中で、はじけるような笑顔が行き交う野外保育「Akitaコドモの森ようちえん」。秋田県内では唯一の毎日通える〝森のようちえん〟で、就学前の子どもたちが13名ほど、週5回畑や森に行って野外活動をしています。
ハサミムシやイモムシなど、大人たちは見向きもしないような虫たちを見つけては、子どもたちの目はキラキラと輝きます。そんな子どもたちの可愛らしい表情を見て微笑みながら、代表の小玉さんは今年11年目になる活動を振り返ります。

子どもたちの「自然と共に生きる力」を育む自然活動

ーーAkitaコドモの森のモットーは?

小玉 「その時期に必要な、心と体の欲求をしっかりと満たしてあげてること」です。体を動かすこと、「やってみたい」という欲求、甘えの受け入れ、食、コミュニケーションの壁など、その年齢で必要なことをしっかりと満たしてあげていたら、子どもたちは次のステージへちゃんと意欲と期待を持って進む事ができると思っています。それが小学校入学であれば、遊び尽くした子どもたちが次は勉強に興味関心を抱き、わくわく感を持ってまた新しいコップをしっかりと満たしていきます。わがままを受け入れるということではなく、本当の意味で心と体を欲求不満にさせないということがとても大切です。
震災を経験して、「自然と共存し、本当の意味で生きる力を身につけること」が大切だと思うようにもなりました。例えば、私たちは毎回外に散歩に出かけますが、天気予報はあくまで情報と参考程度で頼りすぎません。空の色を見て、風を感じることで雨がいつごろ来るのかを察します。地震も雷も本来は来てあたりまえ。私たちが地球におじゃまして住ませてもらっている以上、それを恨むんじゃなくて共存する力が大切です。自分の五感を使って感じ、沢山の体験を積み重ねながら、自然と共に生きる力を養う活動を目指しています。

ーーコドモの森を立ち上げたキッカケは?

小玉 私が子どもを生んだ頃はとにかく自分に自信がなかったんです。生まれる時には誰もが「五体満足に」と願いますが、成長とともにだんだん要求が大きくなっていき、気がついたらいわゆる〝教育ママ〟になっていました。育児はもうストレスでいっぱい。当時通っていた英語サークルのお母さんたちと「最近外で遊んでいる子どもって少ないよね」という会話をキッカケに、みんなでお弁当を持って小泉潟公園に遊びに行ったんです。すると子どもたちは元気に遊び、お母さんたちは誰にも気を使わずにのんびりできて。みんなで癒されながら楽しんだその1回の体験が、コドモの森を立ち上げるキッカケとなりました。

ーーそれから11年間運営してみて、いろいろ苦労もあったのでは?

小玉 問題があれば私一人で抱え込まず、メンバーみんなで話し合って解決してきました。全くないというわけではありませんが、それほど苦労したとは感じていません。サークルでは定例会、ようちえんでは親の会がありますので、そこで一緒に活動を良い形に作り上げています。正直お母さんたちの負担は普通の幼稚園に比べると大きいですね。でも、コドモの森はお父さんたちの協力と理解が大きいのも特徴なんです。コドモの森は入会・入園する際、お母さんだけでなく、お父さんをはじめご家族の承諾を必須としていますので、ご家族で会の活動を知り理解する事からはじまります。親自身が選択したコドモの森の活動にしっかりと目を向け、見守ろうという思いを持って下さっているので、親御さんの活動への参加率がとても高いですね。
お父さんお母さんたちは、私にとってご父兄でありながら、同じ親という立場であり、情報交換や会話を楽しむ友人であり、相談に乗り合う兄弟姉妹であり、自然が大好きな仲間。だから一緒に子どもたちを思い見守り、活動を行って行く事が楽しいのです。

ーーやんちゃエピソードを教えてください。

小玉 全身どろんこは毎日。池を見つければ頭から落ちるし、助けに入った私が携帯を水浸しにしたこともあります(笑)。でも不思議と野外活動での大きなケガは今のところ一回もないんです。
子どもたちの身体能力ってすごいですよね、蛇を最初に見つけるのも子どもたち。山菜採りも親より上手! ケンカの仲裁に入ることもありません。黙って見ていると、ケンカした相手に花をつんで自分から持っていくことも。無理矢理「ごめんね」と言わされるのではなく、それが心からの「ごめんね」なんですよね。
よっぽど危ない時でない限り声はかけないようにしています。それでも万が一のことがあってはいけないので、スタッフは気が抜けません。常に子どもたちの数を確認して、2、4、6、8…と数えていますが、それが夢に出てくることも(笑)。

ーーこれからの目標は?

小玉 認可外保育施設にすることです。保育料の額に左右されることなく、各ご家庭が我が子にあった幼児教育を自由に選択できるようにするためです。せっかく森のようちえんに興味をもってもらえても、資金面で諦めなければいけないのは残念なことですから。認可外保育施設になるためには拠点となる園舎があることが条件です。ここ何年も物件を探しておりますが、なかなか出会えていないのが現状です。

ーー働くお母さんにメッセージをお願いします。

小玉 働くお母さんは、子どもを自然の中で遊ばせたくてもなかなか機会がないという方も多いのでは。そんな時は、ぜひ一度週末型森のようちえんに参加してみてください。自然の中で青空、森の匂い、虫の音色を感じて子どもと一緒にリフレッシュできますよ。子育ても秋田の自然も、たくさん楽しんで欲しいですね。
今年は夏(8月)と冬(2月)に小学生キャンプも開催します。スタッフは全員子育て中のママたちでもありますので、安心してお子さんを預けていただけると思います。

取材のあいだ中、小玉さんの目はいつでも子どもたちに向けられていました。大人たちの温かな視線の中ですくすくと育つ子どもたちは、「かわいい!」の一言しか思いつきません。大自然の力を借りて、秋田の子どもたちよ、すくすくと育て!

特定非営利活動法人「Akitaコドモの森」
Tel:090-2955-5149
Fax:018-868-6755
メール:akita_kodomonomori@yahoo.co.jp
HP:Akitaコドモの森

【野外活動事業】
◎野外保育・Akitaコドモの森ようちえん
◎自然あそび親子サークル・Akitaコドモの森
◎週末型森のようちえん・森のしょうがっこう

【木育事業】
◎Akita-sugiプロジェクト
◎幼児子ども環境教育
◎Akita-sugiこどもきゃらばん

【週末型森のようちえん】
7月8日(土)8月6日(日)9月9日(土)10月14日(土)11月11日(土)
12月28日(木)1月20日(土)2月24日(土)の8回の開催
開催場所:秋田市内
時間:10時~13時半頃まで

【小学生キャンプ】
■8月19日(土)20日(日)仁別まんたらめにてサマーキャンプを開催
対象:小学1年~6年生の20名
■雪上にテントを張り宿泊するスノーキャンプは来年2月に予定
対象:小学3年~6年生の20名

 

キーワード

秋田県内エリア

Writer

桐谷 うらら

桐谷 うらら

3人のママ、iro*ha茶店オーナー、デザイナー、ライターをやってます。いろんな苦手を必死で克服しているうちに、いつの間にか多方面で活動をするように。色とお茶が大好き。目指しているのは世界平和です。心が安らぐこと、愛のあるメッセージを発信していきます♪

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