テレビやラジオ、イベント司会などあらゆる場所でマルチな才能を発揮している真坂はづきさん。a.womanの読者アンケートでも「取り上げてほしい」という声が多く、満を持しての登場です。お仕事への想いや、3歳の娘さんの子育てについても話してくれました。

始まりはラジオ番組。タレント「真坂はづき」ができるまで
ーお仕事を始めたきっかけを教えてください。
真坂 初めてのレギュラー番組は高校2年生の頃のラジオ番組でした。ラジオ局のオーディションに合格して、女子高生アシスタントとして出演していたんです。ラジオから聞こえる自分の声にドキドキしましたね。番組自体は一年で終わる予定だったんですけど、それが寂しくて「続けたい」とぽろっと言ったら、別の番組に起用してもらえたんです。それから、ありがたいことにご縁が繋がって今に至っています。
ーそれからずっとタレント活動をしてきたんですか?
真坂 最初は裏方の仕事もしていました。ラジオ番組で使う楽曲の整理とか、ディレクター業とか。そこでものづくりを学ばせてもらったなと思います。高校生の頃は下の名前の「はづき」で活動していたんですが、成人してからはフルネームの「真坂はづき」で活動するようになりました。それから、名前を覚えてもらえることが増えた気がします。

ーテレビの情報番組も長いですよね。
真坂 そうですね。10年以上です。ラジオリスナーではなかった人たちにも認識してもらえるきっかけになりました。娘の保育園で子どもたちに番組名で呼ばれることもあります(笑)。

ー仕事をするうえで周りの皆さんとの関係はどうですか?
真坂 フリーランスなので孤独感もあるんですけど、長い付き合いで家族みたいな感覚の人もいます。それぞれの現場で時間をかけて構築してきた絆がありますね。子育てとの両立は家族も協力してくれていて、忙しいときは母や妹も手伝ってくれるし、ロケが押してロケバスのままスタッフみんなで保育園のお迎えにいったこともあるんです!みんながいてくれるから仕事ができると日々感じています。
「できない」とは言いたくない。目指すのは、芸能のデパート
ーラジオにテレビに司会に大活躍ですが、特に好きな分野はありますか?
真坂 全部好きですね。どれも辛いと思うことがあまりなくて。全くないわけではないですけど、仕事に集中することで嫌なことを忘れられる場合もあるんですよね。
ー話すお仕事だけでなく、被写体としての姿もよく目にします。
真坂 自分たちで楽しみながらやってきたことが、仕事につながったりしていて刺激的です。デザイナーやカメラマン、メイクさん、それぞれ最初は知らなかったけど、どんどんチームができあがっていく過程が楽しいですね。ラジオにテレビに司会にモデル、「私は何屋さんなんだろう?」って悩んだこともあるけど、「何でもできた方がいいや」みたいな思いも出てきました。「こういうことできませんか?」って言われたときに「はい、できます!」って応えられるようになりたいんです。ここに行けば何でもそろうよねみたいな芸能のデパートになりたいですね。


母として。子育て、そして仕事
ー実は3歳の女の子のお母さん。お子さんについてはあまり話していない印象があります。
真坂 隠してるわけじゃないんですけど。SNSでも顔は出していないし、娘との日常での楽しいことも、発信はしていないですね。それは、彼女の人生のすべてには責任が持てないから。彼女がSNSで顔を出したいとか、メディアに出たいとかそういう気持ちを持つようになったら、その時は応援はしますけど。いまは「守る」ことが最大の責任だと思っています。

ー産休中にキッズコーチングの資格も取得されていますね。
真坂 仕事復帰の際に悩みを減らしたかったので、少しでも効率よく子育てをしようと資格を取りました。キッズコーチングの気質診断に当てはめると、娘は怖がりな性格で、ぎゅっとすると安心するんです。なので、娘が不安そうなときはどんなに忙しくても少しだけ手を止めて抱きしめるようにしています。
ー学んだことが生きてるんですね。お子さんにイヤイヤ期はありますか?
真坂 ありがたいことに、手がかかってしょうがないって思ったことがないんです。これからあるのかもしれないですけど。
1回だけ、夜におむつ姿で公園に行きたいと言われたことがありました。靴もいや!って言って。「まぁいっか、1回行ってみるか。これも思い出だ!」と思って行ってみました。1回すべり台で遊んだら満足したのでその一瞬で済みましたけど。捕まるんじゃないかとドキドキしましたね。
ーお子さんに寄り添うお母さんですね!妊娠が分かった時には戸惑いもあったそうですが。
真坂 これまで作り上げてきた「タレント・真坂はづき」が終わってしまう…という気持ちから抜け出せない時期がありました。
元気に、フットワーク軽くどこへでも行ける…そんな自分をみんな望んでいるんだろうなって思ったら、気持ちが落ちてしまって。
ー出産や子育て、仕事について悩む女性は多いですよね。仕事が大好きな人なら尚更だと思います。悩んだ経験があってこその今があるんですね。
真坂 妊娠中は不安が大きかったけど、当時思っていたよりはいろいろできていますね。今は「まぁいっか」と思えることが本当に多くなりました。家事も大変ですが、忙しいときは豚汁とご飯があればなんとかなると思っています(笑)。家の中にはおもちゃのブロックも散らかっているし。踏むと痛いですけど。
産後間もなく保育園に子どもを預けて仕事を始めたので、私の子育ての仕方は正解ではないのかもしれないけど、後々正解だったと言えるようにしていかなきゃいけないなって思っています。

仕事もプライベートも全部、私。秋田を彩る人でありたい。
ー仕事での自分と、家での自分は違いますか?
真坂 テレビも、ラジオも、司会も、お母さんとしても、ちょっとずつ違っていて、でも全部が自分だなと思います。それぞれの場面で小さな自分が出てくるイメージです。切り替えるのは得意なのかもしれないですね。
ー引き出しが多いですね。今後について考えていることはありますか?
真坂 ありがたいことに20年近く秋田でタレント活動をさせもらっていますが、見たい景色ややりたいことはまだいっぱいあるんです。明確にコレっていうものは決まっていないし、いつまで表に出る仕事ができるかも分からないですが、私はやっぱりものづくりが好きなので、良いものを作る側にいたいですね。そしてちょっとでも秋田の彩りの一部になれたらいいなって思います。

外を歩けば「はづきちゃん!」と呼ばれ、みんなに愛される真坂さん。そんなはづきちゃんは、取材中何度も「周りに支えられている」と話していました。仕事への熱い想いと高いプロ意識、そして周囲への感謝を忘れない心こそが、彼女の周りに人が集まる理由なんだろうと感じました。母になってまた新たな魅力が増し、今後も秋田を鮮やかに彩ってくれること間違いなしです。
※撮影協力 ATLE DELTA