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お母さん

暮らしの中でできる社会貢献を。独自の取り組みで不妊治療を支援するNPO法人「フォレシア」

今、日本で誕生する子供のうち16人に1人は体外受精によって生まれているという中、不妊治療を行っている約9割の方が仕事との両立が困難だと感じ、そのうち約4割は、退職を含めた勤務形態の変更を余儀なくされているという現実があります。

NPO法人「フォレシア」の代表理事を務める佐藤高輝(こうき)さんは、自身の不妊治療体験をきっかけにこの法人を立ち上げ、不妊治療のあらゆる課題を解決するために奔走している今注目の方です。その独自性にあふれた取り組みをご紹介します。


(NPO法人フォレシア代表理事の佐藤高輝さん)

不妊治療をさまざまな角度から支援

現在34歳の佐藤さんは、27歳で独立してエクステリア業を始めるのと同時期に、不妊治療を始めました。「不妊治療について本当に全く分からないところからスタートして、人工授精を6回、その後転院して体外受精を3回行なって、子どもを2人授かることができました。当時は情報も全然入ってこないし、妻は仕事との両立が難しいと泣いていました。こんな世の中は変えないといけないと、強く思いました」と振り返ります。

独立後に培ってきたソーシャルビジネスのスキルやノウハウを活かし、NPO法人「フォレシア」を設立。その取り組みは、遠隔医療開発福利厚生プログラム、仕事との両立支援など多岐に渡っています。

医療格差のない社会を目指して

遠隔医療開発は、地域による医療格差を解消するために着手している取り組みです。2020年5月現在、不妊治療に県の助成を受けられる指定医療機関は、秋田大学医学部附属病院(秋田市)、清水産婦人科クリニック(秋田市)、大曲母子医院(大仙市)の3機関のみ。指定医療機関の数は地域によって開きがあり、そのことから通院の移動距離もかなりの負担となっています。さらに技術の高い胚培養士(※)の人材不足も挙げられます。

(※)体外で精子と卵子を受精させて母体に戻すまでの過程において、胚凍結や胚融解、培養などを行う専門職。

そこで佐藤さんが計画しているのが、なんと!遠隔操作で体外受精を行える国産ロボットの開発です!!「アメリカ製はとても高額なので、できるだけ安く提供するために国産で考えました。現在、東京のトップレベルの胚培養士さんと連携を取って進めておりますが、このロボットが完成し普及が進むと、どこにいても高度な不妊治療が受けられるようになります」。

就職先の紹介や不妊治療における教育も

不妊治療で最も直面する問題点である女性の仕事との両立については、県内の人材紹介会社の協力のもと転職や就職のサポートを行っており、2020年に入ってからは3名に新しい職場を提供。勤務形態を8時〜14時など通院しやすい時間帯に設定したり、会社に不妊治療のことを伝えなくても良い環境づくりといった取り組みは、不妊治療中の女性が抱える精神的・肉体的、または経済的負担の軽減につながっています。

さらに不妊治療には、教育面での課題も多いと言う佐藤さん。「本当は、20代前半の就職して間もない頃にライフプランを考えてもらいたいんです。30代後半で不妊の現実に直面する方が多いのですが、35歳を超えると流産率が高くなるなどの情報を前もって知っておくことで、その先の人生を納得したうえで選択できるようになります」。

教育面の課題解決のため、フォレシアでは法人向けに不妊治療支援の福利厚生プログラム導入のサポートをしています。例えば、女性が働き盛りを迎える前に卵子を凍結できるシステムや男性不妊の周知など、その企業に合わせたプログラムづくりから携わるそうです。「今後は企業だけでなく、高校や大学で不妊についての学習を普及できればと考えています」。

不妊治療をしている人も、していない人も参加できる支援のカタチ

これらの取り組みを支えるプロジェクトの一つが、「ハグミナ光」というフォレシア独自の光回線プラン。これはNTT東日本・西日本のフレッツ光回線を使用しているもので、月額利用料金の一部が遠隔医療開発費にとして寄付される仕組みです。また、協働パートナーとして全国のNPOやNGO団体などが参加しており、申し込み時に協働パートナーを指定すると、不妊治療とパートナー双方で寄付金が活用されます。

そして、こちらも売り上げの一部が不妊治療支援に寄付されるオンラインショップ「Hugmina – ハグミナ オンライン」 も運営。ファッションから雑貨、食品までさまざまな商品が販売される中、〈贈答品・食品〉のジャンルには数多くの大手メーカーや日本各地の名店の商品が並んでいるので、自分へのご褒美や贈り物を選ぶのにもオススメです。各商品ページに寄付される金額が明記されているので、買い物と同時に社会貢献の実感も。

さらに興味深い取り組みが、2020年1月下旬から運用を開始した社会支援型アプリ「Hugmina」です。このアプリは、加盟店でお買い物をすると加盟店内で使えるお金・ハグコインがもらえて、それを使うとさらにお得にお買い物ができるというシステム。「クレジットカードや銀行口座などの情報は一切必要なく、審査に合格した、厳選された企業のみ提携しているので、安心して利用できるのがポイントです。もちろんハグコインでアプリ内の募金箱に寄付することもできますよ」。

佐藤さんのお話を伺っていると、遠隔医療開発のために東京の胚培養士さんに直接コンタクトを取ったり、美容室に導入するアプリからヒントを得て「Hugmina」を開発したりと、その行動力や発想力に驚くばかりでした。これからの佐藤さんの活躍に期待大です!

「フォレスト(森)」と「幸せ」を合わせて名付けられた「フォレシア」。50年、100年先の未来を見据えた“不妊治療を支援する森づくり”はまだ始まったばかりです。皆さんもこれを機会に、暮らしの中でできる社会貢献、してみませんか?


【NPO法人フォレシア】

住所/秋田市中通5丁目5-29
電話番号/018-811-2966
E-mail/info@forecia-jp.com
ホームページ
ハグミナオンライン

キーワード

秋田県内エリア

Writer

熊谷 清香

熊谷 清香

地元タウン誌や広告代理店勤務を経て、フリーランスで企画・編集・取材・インタビュー・ライティング等をしています。拠点令和2年度、秋田県よろず支援コーディネーター就任。中高生の母。秋田市出身。

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