潟上市にある「ファームガーデンたそがれ」は農薬や化学肥料に頼らない米づくり、野菜作りをしている農家です。4人の子どもを育てる菊地晃生さん・みちるさん夫妻が営んでいます。
そんな2人が主催する「たそがれ野育園」は、一年を通して「農的な暮らし」を体験し学ぶ事ができるプログラムです。イベント的、部分的ではなく一年通して全部体験できる。そんな野育園の魅力をお伝えします。
野育園の始まり
長女がまだ小さかった頃、田畑で子どもたちを育てよう!と実践していた菊地家の子育て。SNSで紹介すると「そういう子育てがしたい!」という声が多く集まったことから始まったたそがれ野育園。2014年にスタートしてから今年で10年を迎えます。
手作業でできる米づくり
たそがれ野育園ではお米を育てる「田んぼクラス」と野菜を育てる「キッチンファーム」があります。
田んぼクラスでは3坪(10㎡)の区画をマイ田んぼとして管理します。種まきから稲刈り収穫までを一貫して自力で行います。籾摺り(もみすり)作業以外は全て手作業。一年通して自分で作ったお米を収穫する喜びはひとしおです。
みんなの畑、キッチンファーム
キッチンファームでは一つの畑をみんなで協力して管理します。できた収穫物はみんなで分け合う。生産の手間から収穫の喜びまでをみんなでシェア。
「今年はどんな野菜を育てようか?」春先にはメンバーで話し合います。「ケッチャプ作りワークショップをやりたいからトマトを多めに植えよう!」そんなやり取りもここならでは。作るだけ、食べるだけじゃない「ストーリーを楽しむ」事ができます。
みんなで食べると美味しい
たくさん作業をした後はみんなで「ぬかくどご飯」をいただきます。「ぬかくど」とは、燃料にもみ殻を利用して米を炊き上げるかまどです。お米はもちろん無農薬の「たそがれ米」。おかずは一品持ち寄りでバイキングスタイル。「畑でたくさん採れた野菜、こんな味付けで食べると美味しい」食べながら、みんなで情報交換も楽しい時間です。
魅力的な農的ワークショップ
野育園には農作業だけでなく、農的なワークショップもたくさんあります。
喜びも苦労も分かち合える
子育てと農業の両立を模索する中でスタートした「たそがれ野育園」。苦労は分かち合い、喜びはシェアしていく。手間がかかるし、面倒なこともたくさんある。けれどこの場所で農家だからこそできることを仲間と一緒に楽しみたい。「みんなと想いを共有できるのがうれしい」と話してくれました。
今年もまた新しい「野育園」が始まります。入園を希望される方はお問い合わせの上、見学に訪れてみてください。農作業をしたことがない人でも大丈夫。暮らしに農的な要素を取り入れたい方や子どもを自然の中で育てたいと考えている親子さん。大人も子どもも分け隔てなく一緒に育む時間を過ごしてみませんか。
※写真提供:たそがれ野育園