先日の記録的大雨で秋田県内の農家は大変な被害に遭い、自然の猛威を目の当たりにしました。被災された地域の一日も早い復旧を願っております。そんな自然に左右される農業という仕事に、真っ向から挑む20代の女性がいます。彼女が考える農業の魅力とは。
なぜ農業?なぜUターン?
自然豊かな山間の集落、横手市大森町の保呂羽(ほろわ)地区で、平元沙恵子(さえこ)さんは農業を営んでいます。
「農業は、改良ポイントを見つけては試して、また見つけては試してを繰り返し、新しい手法や作物を作り出していけるところが面白い。とってもクリエイティブな仕事です!」と、農業が楽しくてしょうがない様子の平元さん。でも、大学進学までは別の職業を志していたそうです。
大好きな動物に関わる仕事をしたいと山形大学農学部に進学し、動物生産学を専攻。しかし大学3年生の時に、学科や専攻を超えた友人たちと農業について話したのがきっかけで、農業に興味を持つようになりました。
「農学部の学生のほとんどが実際に農業をしたいとは思っていない。誰かがやらないといけない仕事だけれど、じゃあ誰がやるんだろう?気づいた自分がやるしかない!」
そう思った平元さんを後押ししてくれたのは、小さい頃からいつも見ていた、楽しんで農作業をしている家族の姿でした。地域の仲間と楽しく仕事をしているのを知っていたから、農業は絶対に楽しいはずだと確信していたと言います。それからは、在学中に仲間と「わかもの農援隊 庄内チーム」というグループを結成し、地域の農家の手伝いやNPOと協力しての地域活動を行いながら農業への思いを深めていきました。
ちょうどその頃、東日本大震災や地元の路線バスの廃線、中学校の統廃合が相次ぎ、「このままでは自分のふるさとが無くなるかもしれない」と危機感を募らせました。「自分がいつか結婚して子どもができた時、ふるさとのことを胸を張って話したい」という思いがあふれ、Uターンすることを決めました。
目指すはクリエイティブな職人!
大学卒業後、農業生産法人 国立ファーム株式会社 山形ガールズ農場に就農。 「本当はすぐにでも保呂羽に戻りたかったんですけど、とても面白い企業を知ったんです(山形ガールズ農場のHPはこちら)。やる気を重視する企業で、面接で『3年後に地元で就農したい』と宣言したにも関わらず、受け入れてくれました」
「女性のための女性の農業」を掲げるガールズ農場で、女性目線の野菜栽培やイベント出店など幅広く担当。生産だけでなく販売や加工も学びましたが、中でも小玉スイカの栽培が面白かったそうです。それがきっかけで、今は小玉スイカの栽培を行っています。
「スイカに関してはまだまだ分からないことだらけ。もっともっと美味しいスイカを作りたい!」と話す平元さん。本を読んだり、農業の先輩に話を聞きに県外へ行ったりしながら、農業の考え方を学んでいます。「顧客の求めているものを提供できるクリエイターであり、さらに自分が納得できるものを突き詰めて作る職人でもある、そんな農家になりたい」と言います。
自然に寄り添うこの仕事に惚れ込んでいる
先日の記録的大雨で被害は少なかったものの、自然には勝てないと改めて思ったそうです。「でも、そういう大変さも含めて農業という仕事に惚れ込み、選んだので」と平元さん。就農2年目の暑い夏のある日、片付け作業で疲れた時にふと見上げた空が、あまりに青くて感動したことを今でも鮮明に覚えている、と話してくれました。「その時、自分が苦しんでいることのちっぽけさに気づかされたんです。自然ってすごいなって。勝てないなって。今回も同じです」
大雨を免れた小玉スイカは8月上旬まで販売しています。手にすっぽり収まるサイズで冷蔵庫に丸ごと入るのが便利です。
甘くて美味しい平元さんの小玉スイカ、ぜひご賞味あれ!
【横手市大森町の農家 平元沙恵子さん】
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