4月から子どもの新学期が始まりました。学校でクラスの友達と仲良く生活できるか。勉強についていけるか。誰でも不安はありますが、中には学校生活に馴染めず、登校できなくなる子もいます。北秋田市にある「あきたリフレッシュ学園」は、学校生活にストレスを感じ、休養を必要としている小中学生の居場所です。

生活リズムはしっかりと。ほぼマンツーマンで学習をサポート

「あきたリフレッシュ学園」は、秋田県教育委員会の協力の下、北秋田市教育委員会が行っている事業。学習面は、各教科の教員がほぼマンツーマンでサポートしています。午前は学習活動、午後は体験活動をする日課表はありますが、本人の気持ちに合わせて、スケジュールを立てられるようにしているそう。午後から登園しても大丈夫です。

午後からの体験活動は、教員を退職した大ベテランの指導員が担当。天候を見ながら工作体験、自然体験、農業体験などを行います。敷地内には畑やパークゴルフ場もあり自然がいっぱいです。

子どもたちを楽しませようと、季節に合わせて様々な体験をプロデュースしてくれます。取材に伺った日は、小学生が旋盤で木を削ってこけし作りをしていました。学校の図工の時間ではなかなかできない体験ですね。

山菜採り、登山、スキー、川遊びなど、秋田ならではの自然体験行事

あきたリフレッシュ学園では、月に一回程度、校外体験行事があります。サイクリング、タケノコ採り、ジュンサイ採り、森吉山登山、イカダで川下り、スキーなどなど。どれもワクワクするような自然体験ばかりです。こうした体験を通して先生や学年の違う子どもたちと関わることで、社会性や協調性を育みます。指導員は、自然の遊びを熟知した方、スキーの指導員や登山ガイドの資格を持っている方、絵や料理が上手な方など、多才で経験豊かな先生ばかり。この指導員の先生たちがいるからこそできるスペシャルプログラムです。

心も体もリフレッシュして、なにより元気になってもらいたい

「人間関係に悩んだり、勉強に興味が湧かなかったり、ゲームやネットの影響で昼夜逆転の生活になったりと、小中学生が学校に行けない理由はさまざまです。ここでは、子どもたちがこれまで経験したことのないことをいろいろ体験できると思います。その体験を通して新しい自分を発見し、自信をもって笑顔に、そして元気になってもらいたい。学校に復帰できるように支援していますが、最終的には社会に貢献できるような人になってもらいたいと願っています。」と、担当の成田裕一先生は言います。

卒園した子どもたち、保護者からの声

卒園生の児童・生徒・保護者の皆さんからの手紙を紹介します。
〈児童・生徒からの手紙〉
・暗闇の中で見つけた一筋の光でした
・自然体験や野外活動を通じてリフレッシュでき、学校にも行けるようになりました
・中学3年間お世話になりましたが、今の自分があるのは学園のおかげです

〈保護者からの手紙〉
・日常ではなかなかできない貴重な体験と、先生・生徒のみなさんとのふれ合いは新鮮で、学園は居心地の良い場所になっていたようです　
・表情が豊かになり頼もしくなりました　

学校と連携しているので出席日数も安心

教育委員会の事業のため、学校と連携しているのもまた心強い特長です。入園してから中学校3年生の卒園までの在籍中は、学校に戻ったり、園に戻ったりしてもOK。適応指導教室に準ずるため、登園すると出席日数にカウントされ、学習内容や体験活動については学校へも情報提供されます。
学校に行きたい気持ちはあるけど、一歩を踏み出せずに苦しんでいる子どもやご両親に「大丈夫。一緒に楽しい時間を過ごして元気になろう」とあたたかく寄り添ってくれるあきたリフレッシュ学園。興味がある方は、まずは学校の先生に相談してみてください。遠方でなかなか登園できなくても、週に1、2回来ているお子さんもいるそうです。自宅にずっといるより、もうひとつの自分の居場所として良い経験になりそうですね。