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〈大館市〉地元の旬の食材たっぷり!手打ちうどん「北の國庵」

早口ダムに向かう山間の道を進んだ先にある「手打ちうどん 北の國庵(くにあん)」。まわりに水田が広がる田代岳麓の小さな集落の中に、関東から移住した店主・國元厚孝さんが、2014年にオープンしました。「なぜ、こんな山奥にうどん屋を?」という謎を抱きつつ、うどんを食べに行ってみましたよ♪

大自然に抱かれた手打ちうどん屋さん

もとは民家だった建物を改装した「北の國庵」は集落の中に溶け込んで、落ち着いたたたずまいを見せています。

(店の前には、3〜4台分の駐車場があります)

お店のコンセプトは「癒し」なのだそう。白壁とこげ茶色の家具で統一された空間は、とても落ち着いていて、1人でも、複数で訪れても、居心地の良い席を見つけられます。

さらに、店内のあちこちに飾られているのは昭和レトロなグッズたち。奥には、タイムスリップしたような和室もあります。四本足のテレビに振り子時計、茶箪笥に黒電話。この部屋でちゃぶ台を囲んで食べるうどんは、また格別です。壁のポスターも時代を感じさせますよね。

(まるで映画のセットのような、レトロ感あふれる和室)

趣味を極めた自給自足の店

岡山県出身の國元さんは、東京の青山で20年ほどアパレルの仕事をしていました。釣りや山菜採りが大好きで、休みの日は離島でキャンプしながら釣りをしていたのだそう。いつか、自分の採った食材を使って料理を提供するお店を開こうと考えていた國元さんは、洋服屋の仕事をしつつ、週末は寿司割烹で料理を習っていたとのことで、そのパワフルさに驚きます。

(岡山では「くにやん」の愛称で呼ばれていたことから、響きの近い「國庵」を店名に。移住とともに「北の國庵」としたのは、名ドラマ「北の国から」をもじったのだそう)

アパレルの会社を退職した國元さんは、横浜にうどんのお店「國庵」を開店。昼は手打ちうどん、夜は一品料理屋として12年ほど営んだ後、大館に嫁いだお姉さんに誘われて大館に移住しました。「アパレルの仕事は、服を売るだけでなく、生活をコーディネートすることでもあるんです。この服を着てどこに行こう、何を食べよう、と考えながら服を買いますよね。だから前職と今の仕事は繋がっているし、大好きな趣味を生かすことができて、大自然の中の暮らしは最高ですよ」と、國元さんは話します。

では、さっそく手打ちうどんをいただきましょう!

昔ながらの田舎うどん

横浜の「國庵」時代から人気だったという「カレーうどん(750円)」は、よくあるとろみのついたスープではなく、スパイスの効いたサラサラなスープが特徴。リピーターも多いとのことで、とてもそそられましたが、今回は春らしく「天然山菜天ぷらうどん(1,300円)」を注文!

うどんが茶色がかっているのは、全粒粉の小麦粉を使っているから。「昔ながらの、おじいちゃんおばあちゃんが家で作っていたようなうどんを再現したいと思ったんです。北海道産の全粒粉は、麦の美味しい成分や栄養がそのまま入っていて、風味も良く、とても気に入っています」と國元さん。

ほどよいコシのある手打ちうどんは、30分は伸びないので、ゆっくり味わっても大丈夫! サバ・ウルメイワシ・イリコ・昆布・カツオの天然の節を使用した一番出汁のみで作った麺つゆも、うどんの味を引き立て、どんどん箸が進みます。

天然の採れたて山菜も最高!

國元さんが自ら山に入って採ってきた山菜を、サクッと天ぷらに。今日の山菜は、ウドコシアブラコゴミ。天然なので味も香りも濃く、塩はほんの少しだけで十分です。

3月〜6月の山菜シーズンが終わると、6月からはサクラマス7月からは鮎を釣り、夏には漁師さんのところに泊まり込みで海釣りもするのだそう。秋はまた山に入って、キノコ採り。こうして採ってきた山や海の幸が、季節のメニューとして登場します。四季折々の自然の恵みを味わいたくて、何度でも通ってしまいそうです。

体に優しい食材オンリー

山菜うどんをあと少しで食べ終わるとき、國元さんが「これも味見してみて!」と「ゴマダレうどん」のつけダレを出してくださいました。このつけダレは寿司割烹で料理を習った國元さんならではのオリジナルで、和食のコース料理に使うゴマダレから作っているのだそうです。濃厚なゴマの風味と、モチモチのうどんが相性バツグン!

(料理を提供している器は、國元さんが全国各地の窯元を訪れて集めたもので、一つ一つに味わいがあります)

「かけうどん(550円)」「たぬきうどん(700円)」「カレーうどん」などの定番メニューのほか、季節メニューとして「ゴマダレうどん(850円)」「揚げもちおろしうどん(900円)」「牛肉うどん(1,100円)」もあり、どれもとっても気になります。単品として天ぷら盛り合わせや出汁巻玉子もあります。

食材は、國元さんが採ったり作ったりしたものを使用し、野菜も契約農家にお願いするなど、見て触って納得したものだけを提供しているのだそう。ゆったりと落ち着いた空間でいただく大自然の恵みは体の中にしみ渡り、最高の癒しとなります。新緑シーズン、ドライブがてら「北の國庵」を訪れてみませんか♪

DATA

【手打ちうどん 北の國庵】
秋田県大館市早口字堤ノ岱36-1
TEL/0186-59-2233
営業時間/昼11:00〜14:00・夜17:30〜21:00(夜は要予約)
定休日/毎週水・木曜日
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秋田県内エリア

Writer

Makiko

Makiko

有限会社無明舎出版勤務を経て、フリーライターとして、雑誌、フリーペーパー、WEBなどの記事を執筆。秋田県大館市在住。秋田県北を中心に、秋田の観光・食・子育て・話題のスポット・スポーツなどについて発信しています。 mama plan(ママプラン)所属
https://mamaplanodate.net/information/

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