仕事、子育て、家族のケアなど女性はいくつもの役割をこなしています。自分のことはつい後回しになり、「なんとなく不調」「気持ちに身体がついていかない」といったことを感じる時がありませんか? 冷え性や便秘、むくみ、更年期症状など女性に多いトラブルに寄り添い、「腸と丹田(たんでん)呼吸」に詳しい工藤みかりさん(「腸冷え改善サロンKuKuRu」主宰)にお話を伺ってきました。
「腸冷え改善サロンKuKuRu」は、JR秋田駅から徒歩15分ほどの住宅地にあります。「30代から上は70代のご利用がありますが、お客さまに多いのが全身のむくみや冷え性、便秘ですね」と工藤さん。工藤さん自身もかつて冷え性などを長く経験していて、不調を抱えながら仕事や生活を続ける辛さをよく知っています。
サロンでは、お腹周りをマッサージする「腸セラピー」のほか、足裏や頭などを優しくもみほぐす全身マッサージ、全身にある腸のツボの刺激、岩盤浴ドームによるデトックスなど、各種メニューに沿って施術を行います。腸のケアに力を入れているのは、工藤さん自身が効果を実感したから。「40歳で3人目を主産したときに便秘の悪化などに苦しみました。腸もみに出合って資格を取得し、おかげで便秘が解消し産後の減量にも成功したのです」
お客さまへの聞き取りも丁寧に行っており、私は気になるお腹周りを中心に、メニューの一部を体験させてもらいました。
気になる症状について聞き取り
始めに、気になる症状や悩みについてのカウンセリングがあり、右手を見てもらいました。「体の状態など、手の平から読み取れる情報はたくさんあるんです」と工藤さん。私の手を見て「疲れがたまっていますね。自律神経の乱れが見られるのでリラックスするとか、心地良さを求めた方がいいですね」とのこと。自律神経の乱れは、体調や気分に関わるといいます。
実際のセラピーでは、まず足を触って開口一番「すごくむくんでます」とショッキングな言葉。足の太さは自覚してますが、むくみもあるなんて。むくみの原因は血行不良だそう。問題のお腹周りは、じっくりともみほぐすことで腸が刺激され、腸が動く感覚がありました。
丹田呼吸でセルフケアを
うれしかったのは「ケアの効果が出やすい、細くなるウエスト」と言われたことです。自宅でできるセルフケアとして、工藤さんイチ押しの「丹田呼吸」を、横になった状態で教えてもらいました。「丹田」とは腹部にあるツボで、自律神経に効くといわれています。
工藤さんが丹田呼吸を薦めるのは、腸や自律神経に関わる重要なツボだから。刺激したり温めたりすることで腸の働きが活発になるといわれます。「丹田呼吸は一通りやって1分ちょっと。夜寝る前と起きがけに布団の中でできます。これならできそう、とぜひ続けてもらいたいです」
【丹田呼吸の方法】
「丹田」はへそから指3本分(5センチほど)下がった部分を指します。
1.丹田に両手人差し指を置く。
2.鼻からゆっくり息を7秒間で吸い込んでお腹を膨らませる。そのまま3秒息を止め、口から7秒間で息を吐き切る。7秒、3秒、7秒の計17秒で1セット。
3.吸って吐く、を4セット繰り返す(合計68秒)。
自分の体と向き合う時間を
工藤さんは、美容師免許を持ち、美容室やエステサロンなどの勤務経験があります。仕事にやりがいを感じていたものの、多忙などで体の不調に悩まされました。体調を崩し30代でいったん仕事を辞め、子育て期間中の2012年にサロンを開業しました。自分自身やお客さまの不調に向き合う中で「腸もみと丹田呼吸」を薦める現在のスタイルになったといいます。「体調が良くなると、考え方も前向きになれると思います。毎日頑張っている女性だからこそ、自分を大切にしてもらいたいです」と、工藤さんはエールを送ります。
「一定期間続けていると、何か変化があるはず」との工藤さんの言葉に励まされて、取材以来丹田呼吸を実践しています。やってみて、普段の自分の呼吸が浅かったことに気づきました。深い呼吸でお腹に力が入るようになり、仕事で座っている時の姿勢が少し良くなったと感じます。このまま続けてみます!