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〈大館市〉趣のある有形文化財「桜櫓館」のカフェで時間を忘れて過ごすひととき

大館市役所や桂城公園に隣接する桜櫓館(おうろかん)は、市制施行前の旧大館町最後の町長を務めた桜場文蔵氏の私邸であった建築物です。度重なる大火に見舞われながらも奇跡的に残る、貴重な昭和初期の本格木造建築物として、見学や貸館利用に活用されてきました。
そんな桜櫓館に新たな価値を付加し、さらなる利活用を目指す新しい取り組みが今年度からスタート。その一環として今年9月にグランドオープンした、誰でも気軽に利用できる桜櫓館カフェをご紹介します。

本格コーヒースタンドとドリンクバーの2つのスタイル

桜櫓館カフェでは、テイクアウトできるコーヒースタンドと、セルフサービスのドリンクバーの、2つのスタイルでドリンクを提供しています。

コーヒースタンドでは、市内外からその時々で厳選したシングルオリジンコーヒー(500円~/杯)を提供。カウンターは庭に面しており、入館しない方もテイクアウトで購入可能です。

この日のコーヒーは「タンザニアAA キリマンジャロ」。香り豊かでスッキリとした口当たりと、チョコレートのような甘みのあるコクが特徴です。

(コーヒーはホットとアイスから選べます。この日はアイスをチョイス)

(10月末頃までの期間限定で提供しているSAKURAスカッシュ600円※写真提供:いしころ合同会社)

ドリンクバー(500円/人)では、お茶やジュース、ドリンクバー用のコーヒーなどがおかわり自由で楽しめます。
こちらは館内でゆっくり過ごしたい人にオススメ。大広間を含めた1階のどこでも飲めるので、勉強や仕事道具を持ち込んで、ドリンク片手にじっくり作業することもできます。

また、コーヒースタンドかドリンクバーのいずれかを注文すれば、飲食物の持ち込みもOK。お弁当を持参してゆっくりランチしたり、スイーツを購入してお友達とティータイムを過ごしたりと、さまざまな楽しみ方ができます。

ドリンクコーナーの一角にある「えんがわショップ」では、オリジナルグッズの販売も行っています。特に人気なのは、桜櫓館の特徴でもある多種多様な建具がデザインされた手ぬぐい。これを持って、どこにどの建具があるのか探しながら館内を回るのも楽しみ方の一つです。

(オリジナル手ぬぐい/2,750円)

貸館でも見学でも、自由に利用できます

貸館利用で一番人気なのは、32.5畳の大広間。飲食物を持ち込んでの宴会もOKです。貸館時以外は、一般入館者も自由に利用できます。

カフェ利用にオススメの洋室。7畳ほどの小ぢんまりとした空間で、落ち着いて勉強したり、友達とおしゃべりを楽しんだりできます。

桜櫓館で働くスタッフ2人が揃ってオススメするのは、南向きの広々とした縁側。館内で最も風通しが良いのはここだそうです。ドリンクを飲みながら四季折々の表情を楽しむひとときは格別です。

(スタッフの伊多波さん。「第二のリビングや書斎、友達との憩いの場など、日常のさまざまなシーンに桜櫓館を活用してほしい」と話します)

2階や3階にも見どころがたくさん。特に、大きな障子にさまざまな模様があしらわれた建具は、結婚式の前撮りなどにも活用されてきた人気のフォトスポット。よく見るとたくさんの種類の木材が使用されており、とても細やかなつくりです。

(2階の窓からは鮮やかなサルスベリの花が。9月半ば頃まで見られるそうです)

桜場氏こだわりの建具たち

かつての持ち主である桜場氏が建築関係の仕事をしていたこともあり、さまざまなこだわりの建具が見られる桜櫓館。その一部を紹介します!

(金運や幸福を「すくい取る」ことから、縁起が良いとされる干し網の模様。組子細工の中でもトップレベルの難易度といわれています)

(窓など外向きの建具は、火の災いから守ってくれるといわれる流水紋で揃えられています)

他にも、四季を楽しめる丸窓や、一つひとつ模様が違うふすまなど、貴重なあしらいが館内に散りばめられています。

四季折々の表情が見られる庭園も見どころ

庭にはウメやサクラ、ツツジ、シャクヤク、アジサイと、数えきれない種類の植物が植えられており、季節の移り変わりを堪能できます。
イチイとモミジの木が多いので、秋は紅葉がとても綺麗で、真っ赤な落ち葉の絨毯が見られるそうです。

市民みんなで作る、「開かれた有形文化財」

「これまでは観光客の見学利用がほとんどでしたが、今後は『開かれた有形文化財』として、日常的にカフェで勉強したり、仕事をしたりする方が増えれば嬉しい。イベントも定期的に開催していくので、仲間作りや主体的に関わってみたい方はぜひご参加ください」と話すのは、維持管理及び運営業務を行ういしころ合同会社の石山拓真代表。

スタッフの伊多波さんは、「桜櫓館は個人の持ち物だったので、建物に関する資料が残っていないんです。お客さんに教えていただいたり、スタッフが独自に調べたりして、日々情報をアップデートしています。これからも皆さんに助けていただきながらこの空間を作り上げていきたいので、建築関係者や市の歴史に詳しい方など、『我こそは!』という方の来館をお待ちしています」と話してくれました。

(秘密基地のような展望台にも入れますよ!)

行政の施設を民間のアイデアで有効活用したリノベーションの事例としても注目される桜櫓館。施設見学は無料なので、まずはお気軽に訪れてみてください。

※価格はすべて税込です。

DATA

桜櫓館
大館市中城13-3
TEL/0186-42-0319
開館時間/10:00~17:00(11月~3月は10:00~16:00)
ドリンクバー・コーヒースタンド・えんがわショップ/12:00〜16:00(11月~3月は12:00~15:00)
休館日/月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)
駐車場/あり
※見学無料
※貸館予約は大館市 建設部 まちづくり課 歴史まちづくり係(TEL:0186-43-7135)への申請が必要です。
※ドリンクバー・コーヒースタンドはPayPay(QRコード決済)で100円 OFF
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もも

もも

大館市在住。フリーランスでライター、WEB制作、EC運営等をしています。人と話すこと、人を知ること、楽しいことが好き。誰かの心がラクになるきっかけになるような情報発信を目指しています。

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