男鹿駅前周辺広場ハブアゴーなどでのイベントを訪れたのをきっかけに、近くに気になるお店がいくつもあることが分かりました。まちに灯がともるように、立ち寄れる場所が増えている。そんな男鹿の気になるスポットを、同市在住の書道家、三浦きせんさんと回ってきました。

心がほっこりするおいしさのランチ
【TOMOSU CAFE(トモスカフェ)】
お昼前のJR男鹿駅周辺。平日の昼間はのんびりとした雰囲気が漂っています。スタートは、以前から訪れてみたかった「TOMOSU CAFE」から。紹介記事やSNSから「子ども連れのファミリーにも優しいお店」のイメージがありました。お店に入ると目に入るのがコーヒーの焙煎機。店頭で注文して、先に支払いを済ませるスタイルです。

ランチに選んだのは、週替わりメニューの「和風キーマカレー」。スパイス控えめで、ほんのりお味噌の味がします。「ご家族での利用も多いので、小さい子でも食べられるよう味噌を加えた和風の味付けにしています。ゴボウなどの根菜も入っていますよ」と店長の登藤舞奈さんが教えてくれました。

特においしかったのはランチのお味噌汁。できるだけ地元産の野菜を使い、加えるのは石孫本店(湯沢市)の味噌のみ。登藤さんによると「味噌そのもののおいしさがあるので、だしを使わなくてもこの味になるんですよ」。
野菜の多くは地元産、肉類は近くのグルメストアフクシマから仕入れています。ランチは週替わりのほか、ソースカツ丼が人気だそうです。

スイーツを担当する登藤さんに、おすすめメニューを聞きました。地元のクラフトビール醸造所「Ogresse Quete(オグレスクエット)」のビールを使った「オグレスケーキ」です。オーガニックココアを使っていて、ふわりとビールの香りがする大人の味だそう。コーヒーにも合いそうです。
普段の暮らしを彩る食品、雑貨
【SANABURI FACTORY(サナブリファクトリー)】

TOMOSU CAFÉの通りを北方向、男鹿市役所に向かって2、3分歩いたところに「SANABURI FACTORY(サナブリファクトリー)」があります。元は寿司店だった建物を改装したとのこと。男鹿駅前の醸造所「稲とアガベ」のクラフトサケの製造過程で出る酒粕を利用した「醗酵マヨ」の加工所兼ショップです。食品のほか、全国から選りすぐった品々も揃えています。

醗酵マヨは酒粕の風味が香る、マヨネーズと同じように使える調味料です。「ポテトサラダやサンドイッチなど、いつもの料理に使っていただけますし、料理に添えてソースとして楽しむのもおススメです」と店長の遠田葵さん。

雑貨のなかで人気なのがヤマチク(熊本県)の竹箸だそう。求めやすい価格で長く使えること、転がらない形状などそれぞれに細かな工夫が人気の理由です。
「セレクトのポイントは日常使いができること。普段の生活に取り入れやすく、お値段もお求めやすいものを揃えるようにしています。自分のために、ギフトとしても愛用してもらいたいです」と遠田さん。遠田さんは同店の立ち上げから担当し、商品のセレクトをすべて行っています。

三浦さんは「お店に来たのは初めてです。雑貨を扱うお店は近くにあまりなかったので、こうやって手に取っていろいろ見られるのはうれしいですね」と話していました。
材料から吟味しているお惣菜
【グルメストアフクシマ】

「お弁当がおいしい」と評判になっていて、いつか来てみたいと思っていたお店です。「グルメストアフクシマ」は、手間ひまかけたお総菜が人気の精肉店です。その代表格が「フクシマのコロッケ」。初代・福島秋太郎さんが大正時代に売り出し、当時の味を引き継いでいる商品です。

材料のジャガイモとタマネギは主に大潟村と男鹿市産。そこにブランド肉の秋田錦牛を加えて成型し、オリジナルの細挽きパン粉をまとわせ米油でからりと揚げています。厳選した材料を使い、冷凍などでつくり置きを一切せず毎日手作りしているところがうれしいポイントです。

「うちのお弁当で以前出していたソースカツ丼を、TOMOSU CAFÉで食べられますよ」と、同店の4代目に当たる福島智哉さん。ああ、そういうことかと点と点がつながりました。ソースカツ丼はかつて近くにあった食堂の人気メニューで、智哉さんの父親の基秋さんがその味を再現したそう。次回はぜひとも男鹿市民の思い出の味を体験しようと心に決めました。
古民家でゆったりとした時間を味わう
【D58 cafe】
ここから男鹿駅前を離れ、車で寒風山方面へ20分ほどの集落にある「D58 café」に向かいました。代表の岩谷雄大さん自らがリフォームを手掛け、ことし4月にオープンした三浦さんおススメの古民家カフェです。

広い土間だったところを板敷きの床にしてカフェスペースにしています。和洋のアンティーク家具が置かれ、ポスターなどが掛けられた店内は落ち着く雰囲気。

ここでは、生薬や茶葉をブレンドした薬膳茶がいただけます。秋のメニュー「安精麗水(あんせいれいすい)」は、ハトムギやミカン皮、ビワの葉、ウーロン茶など。消化を助け、ストレスを軽減してくれるといいます。想像していた漢方の香りではなく、すっきりとして飲みやすいお茶でした。田園風景を前に、非日常感のあるティータイムを楽しみました。

三浦さんによると「マイルドスパイシーカレーやプリンもおいしいですよ。プリンはたっぷりサイズでおすすめです」とのことです。


秋田市方面へ帰る途中、最後に寒風山へ。久しぶりのパノラマ風景に感動。「寒風山ビュー」が見られる場所を三浦さんに教えてもらい、黄金色の田んぼと夕暮れの寒風山を眺めることができました。

※価格はすべて税込み
【このほかおススメ】
◇道の駅おが オガーレ ベニズワイガニなどの海産物、農産物、クラフトビールなどの酒類も揃っています。おススメはオガジェラ(ジェラート)。
◇稲とアガベ醸造所 クラフトサケの醸造所。醗酵ソフトクリームがあります。
普段は食事や買い物のためにお店に直行することが多く、周りをぶらぶら歩くことはあまりあない気がします。おしゃべりしつつ、周りの街並みを見ながらゆっくり回るのが新鮮で、楽しいひとときでした。男鹿は雄大な自然や水族館も見どころですが、街なかの散策もおススメしたいです。
DATA
【TOMOSU CAFE】
男鹿市船川港船川栄町89-3
TEL/0185-47-6040
営業時間/平日11:00~17:00 土日祝11:00~18:00(L.O.17:30)
(ランチL.O.14:00)
定休日/水曜
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【SANABURI FACTORY】
男鹿市船川港船川字栄町6-2
営業時間/10:00~16:00
定休日/なし(臨時休業あり)
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【グルメストアフクシマ】
男鹿市船川港船川船川80-1
TEL/0185-23-2624
営業時間/9:00~17:00
定休日/日・月曜
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※電話、DMで予約しておくとコロッケなど揚げたてを受け取れます
※お弁当、オードブルは現在完全予約制
【D58 cafe】
男鹿市鵜木字道村58
TEL/090-2404-5652
営業時間/11:00~15:00
定休日/不定休(SNSでご確認ください)
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