人口約1900人の村・上小阿仁を舞台に毎年行われているアートプロジェクト「かみこあにプロジェクト」。現代アート・音楽・伝統芸能の3つの部門を軸に里山の魅力を発信するイベントが、今年も開催を迎えます！

今年で10回目の開催

新潟県で開催されている「大地の芸術祭」の飛び地開催として、2012年にスタートしたかみこあにプロジェクト。運営母体と名称の変更、コロナ禍による中断等を挟みながら継続し、今年で10回目を迎えました。

2025年のかみこあにプロジェクトの特徴は、「村民参加型」。地元のお母さんたちや子どもたちがアーティストと一緒に合奏する音楽祭や、村人たちの個性豊かなコレクションを展示するカフェギャラリーなど、村の人と一緒に作りあげる楽しい企画を多数予定しています。

9月21日（日）の音楽祭からスタート！

今年のスタートを切るのは、9月21日（日）に開催される「キックオフ音楽祭」。大仙市出身のシンガーソングライター・青谷明日香さんと、音楽会やワークショップなどで幅広く活躍する8名のはなうた管弦楽団による、和やかで心地よい演奏会です。さらに今年は、当日会場で配布するおにぎりを作ってくれる村のお母さんたちとのコラボや、村の保育園に通う子どもたちの合奏参加も予定。楽しくてあたたかい演奏会になりそうです。

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10月はアーティスト滞在制作＆展示とカフェギャラリー

かみこあにプロジェクトのメインである、アーティストによる滞在制作と展覧会は、10月5日（日）～26日（日）に行われます。（※水曜定休）会期中は、3名の多彩なアーティストたちが上小阿仁村に滞在し、作品を制作。制作物は、メイン会場の旧かみこあに保育園に展示されます。

また、今年は、同会場内で村民参加型のカフェギャラリーも展開。村民による作品や収集品など、個性豊かな品々が展示されるほか、毎週土・日・祝日には、村内外の店舗が週替わりでカフェの開店を計画中です。

さらに、秋田県立近代美術館（横手市）の「みんなのMuseumプロジェクト」との連携企画として、高さ4メートルの段ボール製ロボット「キンビオン」が会場に登場！小中学生対象のワークショップも予定しています。

貴重な伝統芸能に触れ、広く深く考えるシンポジウム

11月9日（日）には、伝統芸能の公演とシンポジウムを開催。上小阿仁村と周辺市町村から3つの伝統芸能団体が集い、迫力満点の演目を披露します。
かみこあにプロジェクト関係者と外部ゲストによるシンポジウムも予定。10年目を迎え、村の「あたらしい祭り」として根付き始めたかみこあにプロジェクトについて、広く深く考えます。

地方で暮らすさまざまな人に見に来てほしい

かみこあにプロジェクトの総合ディレクターを務め、村民有志による実行委員会と一緒に企画を運営するのは、秋田市のギャラリー「ココラボラトリー」代表の後藤仁さんです。

「3名の作家さんが上小阿仁村に滞在して、村の人たちと関わりながら今回限りの作品を制作します。作品は会期の後半頃に完成するので、一体どんな作品ができあがるのか、ぜひ見に来てほしい。美術に興味・関心がある人はもちろん、地方で暮らす人たちに気付きを与えてくれる展示や試みがあるので、世代を問わず、いろいろな人に足を運んでもらえたら」と話してくれました。

今年で10回目となるかみこあにプロジェクト。アートや伝統芸能を見て楽しむだけでなく、自然あふれる優しくあたたかい上小阿仁村の雰囲気に触れられるイベントです。ぜひ足を運んでみてくださいね！

※写真提供：KAMIプロ・リスタ実行委員会、hanauta