にかほ市の道の駅象潟「ねむの丘」近くに2024年６月オープンした「NIKAHO OUTDOOR BASE（ニカホアウトドアベース）」。東北最大級のモンベル直営店「モンベルにかほ店」と、アウトドア活動の拠点となるビジターセンターを備えています。週末には、高さ８メートルのクライミングピナクルを使ったクライミング体験も。ドライブがてら訪れるのにぴったりな施設です。

東北最大級の店舗面積

　核となる施設「モンベルにかほ店」は、売り場面積が365坪（約1,200平方メートル）と東北最大級の規模を誇ります。テニスコートに換算すると４面分を超す広さ。メンズ、レディス、キッズまでが揃うウェア類をはじめ、各種アウトドア用品が揃っています。多くの商品を実際に手に取って見られるとあって、秋田市内からはもちろん、隣接する山形県庄内地方からも多くのお客が訪れています。

　店頭にはこれからの季節に活躍するダウンジャケットがたくさん並んでいました。風を通しにくい防風タイプのものが出ているそうです。店長の湯本啓太さんによると「秋田の沿岸部は風が強いため、しっかり温かさを保ってくれる防風性能はおススメです」。

　カラフルなキッズ商品は、見ているだけでも楽しい気分に。雪遊びを思い切り楽しめる、スキーウェアも充実しています。

スノーシューで雪山を楽しむ

　これから冬期間に楽しめるアウトドアアクティビティとしては、スノーシューがおすすめだそう。スノーブーツなどに装着して使い「西洋かんじき」とも言われます。雪に足が沈むことなく移動することができます。「ふかふかの雪の上は浮遊感があって、歩くだけでも楽しいですよ。冬は空気が澄んでいて景色もきれいです」と湯本さん。

　一次産業が盛んな秋田県らしく、農業や漁業、林業に特化した製品もありました。明るい色使いでデザイン性もあり、機能性を兼ね備えています。

　

　店内の広さを生かして、自転車やカヤック、キャンプ用品のテントなども実物を多数展示しています。自転車に関してはサービスピットを備えていて、メカニックが常駐しているのが大きな特色。自転車選びから調整、メンテナンスまでできて安心です。

海と山が近く、恵まれた場所

　「海と山の両方に近く、自然環境に恵まれたにかほ店の立地は大きな魅力になっています」と湯本さんは言います。道の駅象潟という人気施設があり、鳥海山の観光や登山ついでに来店することができます。開店後はちょうど夏の観光シーズンと重なり、週末は駐車場に入りきれない車が国道に行列になるほど大賑わいだったそうです。

　

　ニカホアウトドアベースは、ビジターセンターを併設しています。アウトドアや観光情報を提供するほかトレッキング用品のレンタルを行っており、スノーシューも借りることができます。また、登山などアウトドアについての無料セミナーを通年で開催しています。週末、祝日に実施するクライミング体験「クライミング・チャレンジ」の受付もこちらです。

クライミングに挑戦も

　店内の一角にそびえ立つのが、高さ８メートルのクライミングピナクルです。「小学生以上はだれでも体験が可能」ということで、クライミングにチャレンジしてみました。専用のシューズとハーネス、ヘルメットを身に着け、レクチャーを受けていざ壁に挑みます。壁面の難易度は初級から中級程度といい、最も初心者向けのコースを選びました。腕だけではなく、下半身の力を使って体を支えるのがコツ。「次は右足を一つ上のホールドへ」「腕を伸ばして思いきってつかんで」と的確に声を掛けてもらったおかげで、ゴール地点までたどり着けました。

　「お孫さんと一緒に挑戦する方もいます。子どもさんは体重が軽く恐怖心も少ないようで、コツをつかんでどんどん登っていく子が多いですよ」と湯本さん。周囲のギャラリーの声援を受けながら、果敢に壁に挑む姿が見られるそう。インドアで体験できるので、冬の期間も大勢のお客さんで賑わうことでしょう。

「降りる時は、両手を離して命綱に背中を預けるようにしてください」と説明された時は、耳を疑いました。クライミングピナクルの高さ８メートルは建物の２～３階に相当します。頂上までたどり着いたのはうれしかったものの、両手を離すのにはかなりの勇気がいりました。他に降りる方法がなく、やるしかありません。登ったのと同じくらい、いやそれ以上に降りられたことに達成感を感じました。非日常感の半端ない体験、おススメです！