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一度は諦めた憧れの仕事に復職を果たしたウェディングプランナー

秋田市の「株式会社イヤタカ」にウェディングプランナーとしてお勤めの小野秋子さんは、出産後に同社を退職しましたが、この春、お子さんの少学校入学を機に復職しました。どのような理由で復職したのか、その経緯や復職後の働き方、また会社組織としての取り組みについてお話を伺ってきました。

兄の結婚式に出席して出会った職業

小野さんは高校卒業後、パティシエを目指して東京の製菓専門学校に入学。卒業後は横浜の洋菓子店に就職しましたが、ちょうどその頃、小野さんのお兄さんの結婚が決まり、人生初の結婚式へ出席することに。

「東京のホテルで式を挙げたのですが、『こんなに幸せな空間があるんだ!』と感動してしまって。自分が知っている兄と違う一面や、職場や友人との人間関係を目の当たりにして、普段は分からないことを形にしてくれるのが結婚式なんだなと。人生最良の日を設けることのすばらしさを実感しました」。

忙しくも充実した憧れの毎日

小野さんは式で感じた想いを遂げるべく、ブライダルスクールに通って基礎知識を学びます。そして東京・明治記念館のサービススタッフとして1年間現場経験を積み、株式会社イヤタカへ就職。夢に見たウェディングプランナーとしての道を歩み始めました。

「ウェディングプランナーは、お客さまとの打合せから当日の施行、さらにこれから結婚をお考えの方々へのプランのご提案など婚礼全般を担当します。当時、基礎知識はあったものの業務内容は想像以上に大変で、はじめの1〜2年は必死でしたね。でも、やっと志していた仕事ができているという充実感の方が大きかったです」。

子どものために退職、そして4年越しに復職

その後、小野さんは結婚し、お子さんを出産。産後4カ月で復帰しましたが、お子さんが2歳の頃に病気のため手術をすることになります。そこで術後のケアや、より子どもとの時間を大切にしたいという思いから退職を決意。

「その娘がこの春、少学校に入学する歳になりまして。就学前検診でも問題がなかったので、それを機に改めて『自分のやりたい仕事をしたい!』と思うようになったんです」。

小野さんは退職後も、当時の同僚や先輩との女子会で社内の話題に触れていたこともあり、仲間たちの「また一緒に働こうよ」という声も後押しになったと言います。

「実は主人も営業職で、この仕事の大変さを分かっているのではじめは難色を示していたのですが、会社の方から『お客さまの件数や時間を配慮する』と提案していただいたので、最終的には納得した形で応援してもらえました」。

企業としての変革を実現

時を同じくして、株式会社イヤタカも企業として変革の時期を迎えていました。


(会社の取り組みについて話す、取締役営業統括イヤタカ総支配人の佐藤正典さん)

「当社でも昨年、ウェディングプランナー数名が出産を経験しまして、それまでの“出産=退職”という流れを見直そうという機運が高まったんですね。そこで、組織改革や勤務時間・休日の決め方、さらに出産後もこの会社で働き続けたいと思えるような雰囲気づくりなど、さまざまな視点で見直しを図りました」と佐藤さん。

中でも、ブライダル業界の県内企業としては初の〈顧客対応のシステム化〉を導入したことは、大きなメリットを生み出しました。「会員サイトを介して打ち合わせをすることで、プランナーは仕事の軽減や時短、お客さまにとっては座席や引き出物などをウェブ上で決められて、打ち合わせの時間を短縮できるなど、双方から好評を得ています」。

佐藤さんは復職についても、「ノウハウやスキルを持ち、会社の内情も把握している人材が復帰してくれると、新人の教育係も任せられますし企業としては強みですね。結婚・出産を経験したプランナーは説得力があるので、お客さまにも『安心してご相談下さい』と言えますよ」と太鼓判を押していました。

チームイヤタカとして向かう先は…

復職を経験した小野さん曰く、「やっぱり4年のブランクは大きいです!周りは『分かってるでしょ』と思っていても、私自身は忘れていることが多いな〜と。でも前から知っている社員が多いので聞きやすいですね」と社内でのバックアップを感じている様子。プランナー同士で話す頻度も増えて、社内がいい雰囲気に変わったとも実感しているそうです。

「現在は各会場ごとに組織編成したことでスタッフ個々の目標が明確になり、プランナーとしてだけでなく現場の会場スタッフも含めたチームとして向かうベクトルがはっきりしています。ですので、今はお客さまに『イヤタカでよかった』と言われるのが一番うれしいですね」。

今回の復職には、自宅から徒歩5分の距離にあるご主人の実家の存在も大きいという小野さん。義理のお母さんからは「子どもにとっても、お母さんが好きな仕事をしてキラキラしているのが一番」と言葉をかけてもらったとか。小野さんだからこそできるプランニングに、これからも期待したいですね!

【小野 秋子(あきこ)さん】
横手市出身
2006年 株式会社イヤタカに入社
2009年 結婚
2011年 出産。生後4カ月で復帰
2013年 子どもが2歳の頃に株式会社イヤタカを退職
2018年 株式会社イヤタカに復職

【株式会社イヤタカ】
秋田市中通6丁目1-13
電話番号/018-835-1188
イヤタカグループホームページ

キーワード

秋田県内エリア

Writer

熊谷 清香

熊谷 清香

地元タウン誌や広告代理店勤務を経て、フリーランスで企画・編集・取材・インタビュー・ライティング等をしています。中高生の母。秋田市出身。

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