お気に入りの服を着ると、何だか楽しい。ファッションは暮らしの中で気持ちを上げてくれる大切なアイテムですよね。
大仙市在住の佐々木あいさんは、ブランド「sasaki H fabric」を立ち上げ、自分の好きを追求した服作りをしている女性です。インスタでも注目を集めている佐々木さんのブランドがどのように生まれたのか、お話しを聞いてきました。
服作りに辿り着くまでは悩み多き道のりだった
中学生の頃からミシンで服をリメイクしていたという佐々木さん。得意を仕事にしようと、高校を卒業後、紳士服を作る工場に就職。その後、アパレルの販売員を経験し、秋田市にある百貨店の店舗ディスプレイ部門へと転職します。
「忙しい日々の中で自分の感情が薄れてしまうような感覚があって、やばいなと思って本気で自分のこれからを悩みました。
その頃、私と同じ歳で服作りを生業にしている方がいるという話を聞いたんです。すぐに会いに行って、お話をして、もう強烈に憧れました。この人になりたい、と。一人で服作りを仕事にする、具体的なイメージができました。それで仕事を辞めて、服飾の専門学校に行くことにしたんです」。
始まりを後押ししてくれた生まれ故郷
専門学校に2年間通い、卒業後は地元の大仙市へと戻った佐々木さん。実家の横にある倉庫の2階を改装して、2013年の4月にアトリエをオープンしました。
「それまで個人的にオーダーを受けていたのを、もっと多くの人に知ってもらわなきゃと、地元の方に協力してもらい写真集を作りました。それを知り合いの美容院さんとか雑貨屋さんに置いてもらったことで、ブランドが始まりました」。
写真集のカメラマンは、カメラが上手なご近所さんをスカウト。友人がモデルをしてくれました。佐々木さん曰く、ここで服作りをすることを面白がってくれた地元の皆さんの力が集まったそう。こうしてsasaki H fabricがゆっくりとスタートしました。
作りたい服を作る、と決意してから
お客さんの要望に応え、一つ一つ形を作り前に進む中で、佐々木さんの気持ちと共に服作りが変化し始めます。
「始めた時は、やりたい気持ちがあるのに届く気がしない。やれることは何でもやろうと思っていたけど、どこか迷いが出てしまったり。私はまず技術を上げなきゃいけないから、自分が作りたいものを作るのは嫌だったし、商品は売れなきゃ意味がないと思っていました。
それが、昨年の秋から変わってきて。自分一人でやっているのに私が作りたいものを作らないのは逃げだなって。それで、秋のガウンを作りました。撮影も自分でやったり、自分の考え方もインスタに載せたり、発信の方法も変えてみたんです」。
佐々木さんの好きが散りばめられたインスタアカウント@sasakihfabric。→Instagram
自身で撮影した作品をアップするうち、その世界観に共感するフォロワーがじわじわと増え始め、反応も変わってきたそうです。
(挑戦として取り組んだ2017年秋物のガウン。ユニセックスの仕様で、男女それぞれ違った着こなしが楽しめます)
(現在も注文受付中の2018年春夏にリリースされたワンピース。動画の撮影もすべて佐々木さんが行っています。動画はこちら)
SNSがきっかけで広がり始めた可能性
「インスタがきっかけで新しい繋がりが生まれたことも大きいですね。尊敬する福島県にあるお花屋さんに服を置いてもらえるようになったり、イベントに呼んでもらったりするようになりました。
評価が自分に対して返ってきていると受け止められるし、自分を出して良かった、と思います。今は、想像もしなかった可能性が目の前に現れて、それに乗っかっていくのが楽しいです。」
SNSの影響はすごい、と笑顔で話す佐々木さんのアトリエのカレンダーには、今後のスケジュールがびっしり。充実ぶりがうかがえます。現在はガウンやワンピースのセミオーダーを中心に注文を受けていて、これから先は、新しいイベントのほか秋冬コートの受注会なども予定しているそう。最新情報はSNSでチェックがおすすめです。
いろんな人と関わっていく中で生まれ、少しずつ成長と変化を重ねてきたsasaki H fabricの世界。この先どんな服が生まれるのか、そして、そこからどんな新たな世界が広がっていくのか、まだまだ目が離せそうもありません!
【 sasaki H fabric 】
*事前に連絡をすると、アトリエ見学が可能です。
秋田県大仙市藤木字東八圭104-1
TEL/ 090-4554-9346
営業日/不定休
営業時間/11:00〜17:00
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