秋田市新屋にある大正時代の面影を色濃く残す参画屋内にある「onion」。天然素材を使って、日常使いできる着心地の良い洋服をデザインし、縫製、販売を行っているお店です。
毎日が心地よくなるアイテムたち
レディースのワンピースやブラウス、スカートなどのほか、皮製品やonionセレクトのアクセサリーなどを取り扱っています。
店内は、色とりどりの可愛いモノたちで埋め尽くされ、見ているだけでも楽しい気分になってきます。取材時は、ちょうど秋冬モノが店頭に並び始めていました。ゆったりとしたシルエットで動きやすさにもこだわったチェック柄のワンピース(23,000円)、ギャザーガウチョパンツ(13,000円)。
店頭に並んでいる洋服を買うことはもちろん、onionの特徴はセミオーダーができること。スタッフと相談しながら、約20種類のパターンの中から好きな型を選んだ後、生地を選びます。
「少し丈を短くしてほしい」や「厚めの布を使ってほしい」など、自分好みに調整するのもOKです。出来上がりは約1カ月後。自分の好きなデザイン、色、柄で作られた洋服は一生モノになりますね。
洋服と並んでonionの看板商品となっているのが、お財布ポーチ(14,000円〜)。これは、オーナー岩田さんのお子さんがまだ小さい頃、買い物に行くとお財布をカバンから出すことすら大変で、「お財布をカバンのように肩からかけて持ち歩けたら便利だろうな」と思い、皮職人さんに作ってもらった商品。ママたちの口コミで広がり、人気商品となりました。お金と携帯を入れて、ちょっと出かけたい時にもピッタリですよ!
子育てしながら夢を叶える
岩田さんが小さい頃に着ていた洋服は、スカートやワンピースなど、全てお母さんの手作りだったそう。
「中学生になると、自分の好きなデザインの服を着たいと思うようになり、お母さんに教えてもらって洋服作りを始めました。その後、服飾の専門学校に進みましたが、デザイナーになる夢は叶わず、セレクトショップでの販売の仕事に就きました。その間も、友人などに頼まれるとフルオーダーで洋服を作っていました。」
その後結婚し、二人のお子さんを出産。子育てをしながら、ご主人が立ち上げた古着屋で販売の仕事をしていました。
「ある時、お客さんがお店の一角に置いてあった私の作ったスカートを見て、『生地を選んで型にしてくれたらうれしい!』と言ってくれたんです。それがきっかけで、セミオーダーで洋服を縫製&販売するonionを始めることになりました。始めは、縫えない人の代わりに洋服を縫う位の気軽な感覚だったのですが、ありがたいことに、口コミでオーダーが増えていって、人も場所も足りなくなり、6年前に現在の場所に移転しました。」
今は、縫製スタッフや革製品を作るスタッフも増えて、デザイン、縫製、販売と分業しながらonionを運営しています。一度は諦めたデザイナーの夢を、ふたりのお子さんの子育てをしながら実現させた岩田さん。そのバイタリティは圧巻です。
子育てと仕事の両立で大切にしていること
オーダーが重なって忙しい時期でも岩田さんが大切にしてきたこと。それは、「家の中では100%お母さんであること」。どんなに忙しくても家で仕事はしない、ミシンもないそうです。
「家で夫と仕事の話ばかりしていた時期に、娘から『ママ、なんでパパになってるの?』と聞かれて…。お店はいつでもできるけど、子どもとの時間は取り戻せないと気づいて、家ではきちんとお母さんでいようと思ったんです。どんなに忙しくても、子育てを第一優先して、子どもの成長に合わせて働き方を変えながら、仕事を続けてきました。」
そして、この9月でonionを卒業することを決意した岩田さん。
「息子が中学生になるので、このタイミングで少し仕事をお休みして、いろいろなことをインプットしたり、これから自分が何をしたいのかじっくり考える期間にしたいと思っています。お店は、今いるスタッフがそのまま続けていきます。」
岩田さんが、充電期間を経て何を見つけるのか、今後の活躍を楽しみに待っていたいなと思います。
※価格はすべて税込
【onion(オニオン)】
秋田市新屋表町10-14参画屋内
電話番号/018-828-6900
営業時間/10:30~17:00
定休日/日曜
駐車場/2台
ホームページ
フェイスブック
インスタグラム