2023年10月、大館市役所近くの交差点にオープンしたスパイスカレー専門店「辛幸(からしあ)食堂」。独学で学んだスパイスを調合した本格インドカレーに、日本の出汁のうまみの文化を組み合わせた、絶品カレーを提供しています。
本格的なのに口に馴染む、独学で作り上げたスパイスカレー
「本格スパイスカレー」という響きから想像するようなクセや強すぎる辛味はなく、かつ、深みのあるコクやうまみをしっかりと感じることができる、辛幸食堂のカレー。本格的でありながら、慣れ親しんだ「おうちカレー」の雰囲気も感じられる、とても食べやすい味です。
「お客さんに『おいしい』と思ってもらえないと意味がないので、辛味もスパイスの風味も、尖りすぎないように気を付けています」と、店主の佐々木幸嗣さん。「家では作れないけれど、『異国風』すぎない味」を目指しているそうです。
「初めてのお客さんには、まずこれを食べてほしい」と佐々木さんが話す「KARASHIAカレー」。甘口の「濃厚バターチキンカレー」、辛口の「鶏白湯チキンカレー」、中辛の「出汁キーマカレー」の3種をあいがけにした看板メニューです。
それぞれ違うおいしさを楽しめるカレー3種に、たらこパスタやレンコンきんぴら、赤タマネギのアチャール(インドの漬物)など、オリジナリティのある7種のトッピングをのせた一皿。キーマカレーとたらこパスタを混ぜてボロネーゼ風にしたり、バターチキンカレーにレモンをかけてさっぱり感を出したりと、一度では味わい尽くせないほど食べ方のバリエーションが豊富。何度も味を変えて楽しめる、まるで魔法のようなカレーです。
ご飯は地元・大館市産のあきたこまちを使用したターメリックライス。インディカ米やナンよりも日本人向けで食べやすく、辛幸食堂のカレーによく合います。
センスのいい店内で非日常のひとときを
「味だけでなく、お店でしか味わえない空気感を大切にしたい」と、内装やBGM、接客にもとことんこだわっています。女性をメインターゲットにしつつ、男性も来店しやすい雰囲気を目指したという店内は、落ち着きのあるハイセンスな空間。ちょっとした非日常を味わいながら、ゆったりと過ごすことができます。
長年思い描いてきた飲食店の経営
25年間アパレル業界に身を置き、営業や企画、生産などの仕事に携わってきた佐々木さん。飲食業界の経験はないものの、いずれは飲食で自身の店を持ちたいと、10年以上前から考えていたそうです。
飲食業の魅力を、佐々木さんは「自分が作った物を食べていただき、その場でお客様の反応を見られること。特に、お客様が喜んでいる姿を見るととても嬉しく、やりがいを感じます」と話します。
スパイスカレー店を始めようと思ったきっかけは、7~8年ほど前に前職での大阪出張の際に訪れた、個人経営のスパイスカレー店に惹かれたこと。店主の好きなものを詰め込んだ店の様子に触発され、「自分が将来店をやるならこれだ」と感じたそうです。
「料理の技術ではベテランの料理人に勝てないかもしれないけれど、お客さんがお店に来る理由はそれだけじゃない。自分が見てきたこと、やってきたことを生かして作り上げたお店です」と話す佐々木さん。「辛幸食堂」という店名にも、「『辛い幸せ』を味わってもらいたい」という意味とともに、さまざまな想いが込められています。
「自身の名前にも入っている『幸』の字は、亡くなった父から受け継いだ字なので、店名に入れたかったんです」と、大切そうに話してくれました。
何度食べても新しい発見がある、辛幸食堂のスパイスカレー。週一回のペースで通い、その度に違う食べ方を試すリピーター客も多いそうです。「スパイスカレーってクセが強そう…」と思っている方でも、一口食べるとイメージが変わるはず!ぜひ足を運んでみてくださいね。
※価格はすべて税込です。
DATA
【辛幸食堂】
秋田県大館市桂城28
営業時間/11:00〜15:00
定休日/日曜(※不定休あり)
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