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ひと粒ひと粒に心を込めて。身につけた人を輝かせるガラスジュエリーが人気

ガラス作家「Glass Jewely grain」kacoさん

夏になると、涼しげなガラスのアイテムに目がとまりませんか?陽の光を浴びてキラキラと輝くガラスは、身につけるアイテムとして取り入れるととってもオシャレ!今回は、そんなガラスに魅了され秋田を拠点に活動しているガラス作家のkacoさんに、作品作りに対する想いなどを伺いました。

一気に心を奪われたガラスとの出会い

ーkacoさんがガラスに惹かれたきっかけは?

kaco 建築の仕事をしている父から、「お姉ちゃんはモノ作りが向いてるんじゃないか?」と勧められて秋田公立美術工芸短期大学(現・秋田公立美術大学の母体)に進学したんです。入学して、木工や染め、彫金などいろいろとやってみたけど、ガラスに出会った時、すぐに「これだ!」と思いました。硬いガラスが一瞬で溶けてドロドロになって、また一瞬で冷えて固まっていく素材のおもしろさや、透明なガラスの質感に惹かれたんです。そこからは、ただただ楽しくて、自分の授業がない時もガラスの研究室に行ったり、上級生の授業を見に行ったりして、どんどんのめりこんでいきました。

ーその後はすぐにガラス作家になったんですか?

kaco ガラスは好きだったのですが、世間を知らないまま職人の世界に入ることに疑問を感じて、設計事務所に就職しました。しばらくガラスから離れていましたが、秋田公立美術工芸短期大学の「アトリエももさだ」で開催していたとんぼ玉教室に参加して、久しぶりにガラスに触れたらやっぱり楽しくって。そこからは、趣味でガラス作りを続けていました。

その後、2008年に横浜へ転居。作家の登竜門的なイベントと言われている「クラフトフェア松本2012」の書類選考に気軽な気持ちで応募したら、選考に通って出店することができたんです。信州はりんごの産地なので、りんごをモチーフにしたアクセサリーが好評でたくさんの方に購入していただけました。そのことがきっかけで状況が一変。全国のギャラリーから声をかけていただけるようになり、本格的な活動が始まっていきました。秋田はもちろん、横浜や東京、京都などでグループ展や個展を開催できるようになったんです。

帰郷し秋田の自然から作品のアイデアが生まれる

ー秋田に戻ってきたきっかけは何ですか?

kaco やっぱり田舎がいいなって思ったんです。ガラス作家として、京都や東京のギャラリーとの繋がりを作ることができたし、秋田に戻ってもやっていける!と思ったのかな。

ー秋田に戻ってきて作品に変化はありましたか?

kaco 作品の色合いが明るくなったって言われました。横浜にいる時は自信がなかったのかなぁ…ごまかしのきかない透明やパッと目を引く赤などの鮮やかなビタミンカラーに手を伸ばせなくて。秋田の四季折々の美しい自然に日々触れていることが、ひとつの要因かもしれません。


(撮影:佐藤勝彦)

ーどんな時に作品のインスピレーションがわきますか?

kaco 異素材のおもしろいモノを見た時かな。例えば、たんぽぽの綿毛とか球体でカワイイなぁとか。水の流れや海の波がシュワシュワしてる感じを見ていると、このとどまらないカタチを切り取ったらどうかなとか考えてます。後は、ぼぉーっとしている時(笑)!これが意外と大事!


(撮影:佐藤勝彦)

ー特に思い入れのある作品はありますか?

kaco ブランド名にもなっているgrainです。これは、英語で「ひと粒」という意味なんです。元々、ウニとかタンポポの綿毛とか、球体の周りに模様がついているような形が好きだったんです。バーナーワークには“点打ち”というガラスの技法があるのですが、それで表面を全部埋めてみたらどうなるかなと思って作ってみたのが最初です。2012年10月に開催したグループ展で作品を発表してからは、私の代表作となりました。


(撮影:佐藤勝彦)

身につけた人が輝ける作品を作りたい

ーどんなことを大切にして作品を作っていますか?

kaco 表現しすぎないことです。作品ばかりが目立つのではなく、身につけた時にパッと顔が華やいで、洋服とコーディネートしやすくなるようにしています。「これつけてると褒められるのよ」ってお客様が言ってくださった時が、一番うれしい瞬間です。

ーお客様との印象的なエピソードはありますか?

kaco あるお客様が、初めて個展にいらしてくださった時、今まであまりアクセサリーに興味がなかったようで、「こんな高いイヤリング買ったことない」っておっしゃっていたんです。でも、いろいろとお話していたら、勇気を出してイヤリングをひとつ買ってくださったんです。そしたら、次の個展の時、初日の朝一に来てくださって「あのイヤリングつけてたら、周りの人に素敵ねって褒められたのよ」ってうれしそうに教えてくださいました。そして、またひとつアクセサリーを購入されました。

それからは、個展がある度にかかさず初日の朝一に足を運んでくださっています。そして、どんどん素敵になられて、他のお客様から「オシャレな人ね!」と噂になるくらいなんですよ。そんな風に、自分の作った作品がきっかけになって、女性が美しくなっていくのは本当にうれしいことだなって思います。

ーこれからやっていきたい事はありますか?

kaco オーダー作品を少しずつ増やしていきたいなと思っています。お客様の希望を聞きながら、提案していくスタイルは、私自身も新しい気づきがあってとても勉強になります。

今回、展示会中に取材させていただきましたが、お客様がkacoさんと和気あいあいと楽しそうに話をしながらアクセサリーを選び、最後は皆さん満足そうな笑顔で帰っていかれるのがとても印象的でした。そうやって楽しい時間を過ごしながら見つけたお気に入りのアクセサリーは、きっと毎日の仕事や家事を頑張る原動力にもなるのではないでしょうか?それが、kacoさんの作品が身につけた人を輝かせるもう一つの要因なのかなと思いました。これからも、kacoさんの作りだす作品から目が離せません!

【kacoさんプロフィール】
秋田市出身。1977年生まれ。秋田公立美術工芸短期大学でガラスを専攻。卒業後、会社員として勤めながら趣味としてガラス制作を続ける。2012年「クラフトフェア松本2012」に出店したことをきっかけに、本格的にガラス作家としての活動をスタートする。その後帰郷し、2013年自身初の個展となる「Glass Exhibition 2013-Winter」を秋田市で開催。その後現在に至るまで、全国各地で個展やグループ展を開催し、活躍の幅を広げている。
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【今後のGlass Jewely grainの個展】
◼︎Aroma Accessories Pre-order vol.3(アロマアクセサリー プレオーダー会)
日時/2019年8月10日(土)、11日(日)10:30〜17:30
場所/AROMATHERAPY SHOP Pfrè(秋田市中通2-1-1-1F)
内容/ピアス、イヤリング、ネックレスなどを、色や大きさ、素材など希望に合わせてオーダーできます。

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キーワード

秋田県内エリア

Writer

三浦翠

三浦翠

潟上市出身、一児の母。ブライダル情報誌やタウン誌勤務を経て、フリーライターとして活動中。最近ハマっていることは、収納と時短レシピ。秋田のおいしいものや子育て情報などを発信していきます。

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