たっぷりご飯に、やさしい味噌汁。どこか懐かしくて、ほっとする。そんな「家庭の味」を楽しめるのが、大仙市にある「亥(いの) ご飯とお酒」です。元寮母の店主が営むこのお店には、年齢も性別も問わず、さまざまな人が訪れます。”特別じゃない、でもちゃんと美味しい”そんなほっとするお店を紹介します。

偶然の出会いから生まれたお店
お店がオープンしたのは、2025年3月。ずっと「自分のお店をやってみたかった」という店主の佐藤さんが、たまたま道に迷った先で見つけた「売物件」の看板。それがこの場所との出会いだったそうです。

築年数のある建物だったため、オープンまでのリフォームはかなり苦労したそうですが、それでも、少しずつ理想の空間に近づけていったと言います。

こだわらないのがいちばんのこだわり
「特別なこだわりはないんです。家庭料理ってそんなものじゃないですか?」と語る佐藤さん。肩肘張らず、ふだん着のまま立ち寄れるお店を目指すその思いは、定番メニューにも表れています。ご飯と味噌汁に季節の小鉢2品が付き、好きなおかずを選ぶスタイル。小鉢には、旬の野菜のおひたしやフルーツ、おかずなどが日替わりで並びます。ご飯は120gから300g(+100円)まで、量を選べるのも嬉しいポイント。

人気の「ハンバーグ」は、味噌ソースとの相性が抜群で、しっかりと食べごたえがありながらもどこか素朴な味わい。手ごねならではのふんわり感が、どの世代にもおすすめです。

豚肉と野菜をにんにく醤油で炒めた「スタミナ焼き」。香ばしいにんにくの香りとフレッシュな生野菜が食欲をそそります。バランスの良い一皿で、元気をチャージしたいときにぴったりです。

昼から夜まで思い思いのスタイルで
店名のとおり、お昼からお酒を楽しむこともできます。お昼から一品料理で一杯お酒をいただく人、夕方に家族でファミレス感覚で訪れる人、魚好きな老夫婦など、お客さんの層はさまざまです。軽食メニューには、ピザや玉子焼き、手造りがんもどきなどもあり、小腹が空いたときにもぴったり。さらに、せいろで蒸した台湾カステラなど、ちょっとしたデザートも楽しめます。

お店の名前「亥(いの)」は、佐藤さんの干支”いのしし”から。「漢字一文字がよくて、いろいろ考えた末、なんとなく語呂がよかったから」と佐藤さん。あまり深い意味はないけれど、それがまたこのお店らしくて魅力的です。そんな気取らない居心地のよさを大切にした店内は、お客さん同士が干渉し合わないよう、席の配置にもさりげない配慮がなされています。

おうちごはんで今日もお腹いっぱいに
佐藤さんは、かつて社会人寮の寮母として働いていた経験の持ち主。そのときの経験が、「誰でも、どんな時間でも、気軽に立ち寄れるような場所をつくりたい」という想いへとつながっているのだと感じました。SNSをきっかけに訪れるお客さんも多く、佐藤さんは「ありがたいですね」と、少し照れたように笑います。曜日や時間帯によって混み具合はさまざま。決まったルールに縛られず、それぞれのペースで過ごせる。そんな、ゆったりとした時間が流れる場所です。

「亥 ご飯とお酒」は、確かな美味しさとあたたかさが詰まったお店。誰かの家にふらっと立ち寄るような気軽さで、一杯の味噌汁とご飯が迎えてくれます。「長く元気に続けたい」という佐藤さんの思いのとおり、地域の“台所”として、ゆっくりと根づいていくのかもしれません。