
子育てをしていると「誰かに頼りたい」「少しでいいから休みたい」と感じる瞬間はありませんか?とはいえ、実際には、周りに気を遣ってしまったり、どこへ相談に行けばよいのか分からなかったりして、モヤモヤとした日々を過ごしているというお母さんも多いはず。「ちょっとしんどいな」という時に、あなたの味方になって心をふっと軽くしてくれる三種町の「ままのいえ」を紹介します。
実家のようにくつろげる場所を
「ままのいえ」は2024年の冬からのプレオープン期間を経て、2025年春から本格的にオープンしました。空き家だった民家を利用していて、一歩足を踏み入れると実家に帰ってきたような安心感に包まれます。畳の広間でみんなで食事をしたり、居間でお茶を飲んで語らったり、希望すれば足湯や入浴で体を温めることも可能。肩の力を抜いて過ごせる雰囲気が大きな魅力です。運営しているのは、助産師の小林かおりさん。助産師として、母親として、これまで地域で出産や育児関する講座やイベントを数多く手がけてきました。活動の拠点となる場所を構えようと、ままのいえを開設したそうです。

デイケア型の産後ケア「ままさろん」
ままのいえの活動の中心となるのが、産後ケアプログラムの「ままさろん」です。助産師に育児の相談をしたり、お母さん同士で気持ちを分かち合ったり、セラピストによる体のケアを受けることができます。さらに、町内の飲食店と連携し、昼食の提供や夕飯用メニューのテイクアウトにも対応。家事の負担を少し減らす工夫も盛り込まれています。


県北地域にはデイケア型の産後ケア施設が少なく、「ままのいえ」は貴重な存在です。授乳や夜泣きで疲れた心身を休めたい、気軽に誰かと話したい、そんなときに立ち寄れる場所として注目されています。居心地の良さから、地域の枠を超えてリピーターになるお母さんもいるそうです。
また、不定期で三種町内の温泉施設へ出張して「温泉deままさろん(入浴・昼食代込み3,000円)」も開催しています。お子さんをままさろんのスタッフに預けてお母さんはゆっくりと温泉で癒されるので、こちらも大好評だそう。
ままさろんは原則として毎週水曜日(第三水曜日はお休み)に開かれています。基本の利用料金は500円。その他オプションで、昼食(700円)や足湯(500円)、入浴(600円)、リラクゼーション(15分1,000円)などが追加できます。詳細はSNSで確認してください。
支援はお母さんの枠を超えて地域へ
ままのいえの改修には地域の人や活動に賛同する人々が協力しました。「子育てを応援したいけど、どう関わればいいのか分からなかった」という人にとっても関わりやすいきっかけになったそうです。ここに集う人たちの思いが、空き家だった建物を温かな居場所へと変えました。

また、ままのいえを利用できるのは、産後すぐのお母さんだけではありません。ここでは、不登校の親子が安心して過ごせる交流会、ひとり親家庭のためのフードバンクなど、幅広い活動が行われています。子育て世代にとって切実な課題に寄り添いながら、地域の誰もが「ここに行けば大丈夫」と思える場を目指しているそうです。

誰もが気軽に来られる安心できる場所を目指して
ままのいえが大切にしているのは「その人のニーズに合わせたい」という考え方です。赤ちゃんを連れたお母さんも、小中学生の親も、さらにはサポートをしたい地域の人も、それぞれが自分らしく関わることができます。訪れた人が少し肩の荷を下ろし、明日への元気を持ち帰ることができるようにとの思いが詰まっています。

※価格は全て税込みです
子育てと悩みはセットのようなもの。子どもが大きくなっても悩みは尽きないものだなと、筆者も体感しています。休みたい、誰かと話したい。ままのいえは、それぞれの想いをくみ取って優しく受け入れてくれます。頑張るお母さんたちに、ふっと心が軽くなる瞬間が訪れますように。